大きくなっても3シリーズらしいキレの良さは健在【新型BMW 3シリーズ試乗記】

clicccar / 2019年6月14日 11時3分

■ ●低速での乗り味に堅さを感じるも、コーナーでの安定感・切れ味は抜群

2019年3月からデリバリーされている新型BMW 3シリーズ(セダン)は、一見すると手堅いキープコンセプトのように感じられるかもしれません。しかし、内・外装のデザインはもちろん、安全装備まで大幅なアップデートが図られています。

日本の狭い道路環境で使うには、新型BMW 3シリーズのボディサイズの拡大は朗報とはいえないでしょう。全長4715×全幅1825×全高1430mmという3サイズのうち、とくに先代よりも25mm拡幅した全幅は、マンションなどの駐車場事情などにより購入を断念する人がいるはずです。

先代は、マイナーチェンジで1815mmの全幅を、アウタードアハンドルの薄型化により日本向けは1800mmに抑えるという大英断を下していました。

一方の新型BMW 3シリーズのサイズ、特に全幅は都市部のみならず郊外の狭い駐車場などでも少し気を使うシーンもありますし、狭い道でのすれ違いも少し気を使うのは事実。

しかし、大きくなったことで、後席の居住性は期待を裏切らない広さとなっています。40mm延長されたホイールベースにより、リヤシートの足元空間には余裕を感じさせます。それでもホイールベースはメルセデス・ベンツCクラスよりも10mm長いだけ(アウディA4と比べると、25mm長い)ですから、とくに細長いという印象は薄く、彫りの深さを増した顔つきもあり、ワイドさが強調されています。

タイヤはブリヂストンのランフラットタイヤ「TURANZA T005」で、225/40R19サイズを履く試乗車は「M Sport」仕様なので車高が10mm下がっていて、ワイドで低く構えたスポーティなたたずまい。

試乗したのは「330i M Sport」というデビュー時点で最も高いグレードで、車両価格は632万円。試乗車はそこに、「メタリック・ペイント(新色のポルティマオ・ブルー)」「イノベーション・パッケージ」「ハイライン・パッケージ」「コンフォート・パッケージ」「ファスト・トラック・パッケージ」という総額92万2000円のオプションが加わり、724万2000円になっていました。

搭載されるパワートレーンは2.0L直列4気筒DOHCの「B48B20B」型。BMWが推進しているモジュラーエンジンで、トランスミッションは8AT。

出力は258ps/5000rpm・400Nm/1550-4400rpm、試乗車の車重は1630kg。ボンネットフードやフロントフェンダーなどがスチールからアルミに置換されたことで、大型化しながらも軽量化が図られています。

BMWらしく、ドライブモードにより走りの印象をガラリと変えるのも新型3シリーズの特徴で、「ECO PRO」だと想像以上にパワーが絞られ、本当にガソリンは1滴も無駄にしないというのが伝わってきます。「SPORT」にすると出だしから豹変し、アドレナリン全開の走りにも余裕で応えてくれます。

さらに、乗り心地重視の「COMFORT」も用意されていて、ランフラットタイヤで19インチという厳しい条件下でも、まずまず許容できるという乗り心地でした。

荒れた路面だと上下、左右に揺すぶられる傾向が強く、「COMFORT」にするとなんとか当たりがマイルドになるかな、という感じで、少し速度域が上がらないとボディの動きが落ち着かないという状態。

一方、極太のステアリングホイールを左右に切ると、先代と同様に3シリーズらしい切れ味と、直進安定性の高さを披露してくれます。

大小多様なコーナーが続く山岳路でもライントレース性は非常に高く、安心感の中にも楽しさが十分に感じられる仕上がり。ボンネットフードのアルミ化もあってか、コーナーに向かって姿勢が素直に変わり、ノーズの重さを感じさせません。

なお、新型「BMW 320i」には日本専用チューンのエンジンが搭載されるそうですから、こちらの205/60R16タイヤ装着車で新型3シリーズ本来の乗り味がより分かるかもしれません。

(文/写真 塚田勝弘)

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