【自動車用語辞典:ブレーキ「概説」】安全の基本は止まること!

clicccar / 2019年7月19日 17時35分

■ ■摩擦式ブレーキの他、回生ブレーキやエンジンブレーキも

●止まるだけでなく、走る、曲がるにも大きく関わる

走行中のクルマを減速し、停止させるのがブレーキ(制動装置)です。運転支援技術が進み、緊急時の自動ブレーキを搭載しているクルマも増えていますが、あくまでも基本はドライバーがブレーキペダルを踏んで操作するフットブレーキです。

ブレーキの基本構成や最新の電子制御ブレーキについて、解説していきます。

●ブレーキの種類

通常のブレーキは、車輪と一緒に回転するディスクやドラムに摩擦材を押し付け摩擦力によって、クルマを減速、停止させます。タイヤの運動エネルギーを摩擦熱に変換する装置です。

ブレーキ機構としては、上記の摩擦熱を利用するディスクブレーキやドラムブレーキのほか、回生ブレーキ、エンジンブレーキがあります。

回生ブレーキは、減速時やブレーキをかけたときに発電機(またはモーター)の回転抵抗を制動力として利用します。このときの発電機による発電量を電気エネルギーとして回収します。

エンジンブレーキは、減速時に発生するエンジンのポンピング損失、フリクション(これらも熱に変換)を制動力として利用します。

また最近は、油圧制御でなく電動化した電動ブレーキも出現しています。

●油圧ブレーキの基本システム

一般的なディスクブレーキやドラムブレーキのシステム構成は、以下の通りです。

ドライバーがブレーキペダルを踏み込むと、「ブレーキブースター(倍力装置)」によって踏力が数倍程度に増大されます。増大された踏力は、「マスターシリンダー」でブレーキ油圧に変換されて油圧制御回路へと進みます。ここからブレーキラインを介して、ブレーキ油圧が4つの駆動輪のブレーキ装置へ伝達されて制動が働きます。

●ディスクブレーキとドラムブレーキ

一般に軽自動車や大衆車は前輪にディスクブレーキ、後輪にドラムブレーキを使用しています。高級車やスポーツ車はディスクブレーキ、大型車はドラムブレーキを使います。

ディスクブレーキは、車輪とともに回転するディスクローターをブレーキパッド(摩擦材)で両側から挟み込んで制動するシステムです。ブレーキパッドとローターの摩擦力によって、運動エネルギーが熱エネルギーに変換されます。装置が直接外気に晒されているので、放熱性に優れています。

ドラムブレーキは、車輪とともに回転するブレーキドラムの内側に、摩擦材を貼ったブレーキシューを押し付けることによって制動するシステムです。ディスクブレーキよりも強い制動力を持ちますが、ドラムが装置を覆っているので熱がこもりやすい特性があります。

●電子制御ブレーキ

走行中に急ブレーキをかけると、ディスクやドラムの回転が停止してタイヤが完全にロックする「タイヤロック」という現象が発生します。この状態だと、タイヤは滑っているだけで制動は機能せず、操舵能力も消失して非常に危険です。

このブレーキロックを防止するのが、ほとんどのクルマで搭載されているABS(アンチロックブレーキシステム)です。センサーが車輪のロックを検知したら、その車輪のブレーキ油圧を緩めることで車輪を再び回転させます。ちょうどポンピングブレーキのような制御です。

その他ABSの進化版として、TCS(トラクションコントロール)やESC(横滑り防止装置)があります。

TCSは、滑って空転を始めた車輪にブレーキをかけることで空転を抑え、タイヤと路面の摩擦を復活させるシステムです。

装着が義務化されているESCは、高速走行中のハンドル操作やブレーキ操作によるクルマの横滑りを防止するため、エンジンの出力制御とともに4輪のブレーキを独立制御します。

ブレーキは止まるだけでなく、走る、曲がるにも大きく関わり、クルマの統合制御の中心的な役割を担っています。

本章では、ブレーキ機構の基本からブレーキを個別に高精度制御するESCまで、詳細に解説しています。

(Mr.ソラン)

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