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出会って4秒で恋に落ちる奴は軽率なのか? 「ピンとくる人」【カレー沢薫 アクマの辞典】

ココロニプロロ / 2019年3月21日 18時55分

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漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!


■第30回 アクマの辞典 パ行


【ピ】
➤ 「ピンとくる」(ぴんとくる)
…年収に比例してピンとくる人間の数が増える



今回のテーマはパ行から「ピンとくる人」だ。

古の言葉を使えば「ビビビときた」という奴である。
「一目惚れ」なる言葉があるように、世の中には出会って4秒で「君に決めた」とポケモンボールを投げてしまう人間がいるのだ。
この一目惚れというのは、する奴は何回でも繰り返し、そのうち「運命の人」で打線が組めるようになるのだが、逆にしない奴は全くしない。

ビビビ否定派にとって「一目惚れ」は軽率な行為であり、恋というのは時間をかけ相手の人となりや、年収、のちのち面倒くさいことになりそうな兄弟姉妹の有無などを知ってから落ちるべきものだからである。
そうした情報を得ずに「ピンときた」というのは、第六感のみに頼ること。それは、相手が床下に埋めた元カノの残留思念をキャッチしただけのことかもしれないのだ。
つまり「ピン」を信じるのは危険度が高すぎる、と慎重派は考えているのである。

しかし、ピンとくる派が己の直感を過信しているとしたら、慎重派は「自分の人の見る目」を信じすぎじゃないか、という気もする。
むしろ直感に頼って生きている奴より、人を見る目が狂っている奴のほうがよほど破天荒な人生を送るのではないか。

結婚や恋愛において「吟味」は重要ではあるが「選び抜いた相手なら大丈夫」というわけでもない。
何故ならどれだけ相手のことを知り尽くしてもそれは「2019年現在調べ」だからである。

全くそんな様子を見せなかった優しい人が、結婚し妻が妊娠するや否や腹にキックをかますDV野郎になり出産前に離婚したという話を最近聞いた。

よく、パートナーのDVやモラハラに悩む人に対し「そういう相手を選んだ自分が悪い」との自己責任論を持ち出す人がいるが「こいつ私が妊娠したら腹にイイの入れてくるタイプだな」とわかって結婚する人間などいない。

人は「2019年現在の調査」などでは全く予測できない「豹変」をするものなのである。

このレベルの豹変になると、それこそ「こいつは将来私の腹にアーネスト・ホースト級のローキックをキメてくると守護霊が言っている」みたいな直感に頼るしかない。

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