Windows Azureの仕組みとAzure VMでWindowsを動かす

CodeZine / 2012年10月10日 14時0分

図5 エンドポイントとロードバランシング

 2012年の春にリリースされたWindows AzureのIaaS(Infrastracture as a Service)であるWindows Azure Virtual Machineの使用方法と仕組みについて説明します。

■はじめに

 Windows Azure Virtual Machineは、2012 spring release(2012年春のリリース)で、発表されたサービスの一つです。2012 spring releaseでは、AzureでIaaSサービスを提供するVirtual Machine、簡単にすぐにサイトを立ち上げることができるWeb Sites、AzureのNW機能を大幅に拡張するVirtual Networkが発表されました。

 これから複数回にわたって、Windows AzureのIaaSサービスであるWindows Azure Virtual Machineについて見ていきます。Windows Azure Virtual Machineの仕組みと使用方法を説明します。そして、活用例としてSQL ServerやMongoDBを動作させる際のポイント、方法を説明します。

 第1回目は、Windows Azure Virtual Machineの仕様や機能について説明します。

■対象読者

Windows Azureに興味のある方 Windows Serverを使用している方 IaaSサービスを検討している方 サーバー管理者、開発者 ■必要な環境

WindowsかMac用のリモートデスクトップクライアント Windowsアカウント Windows Azureサブスクリプション ■注意事項

 2012年9月時点では、Windows Azure Virtual Machineはプレビュー版として提供されています。プレビュー版では、使用するOSの種類(Windows、Linux)に関係なく同じレートで課金(注1)されます。課金が発生しますが、SLA(Service Level Agreement)およびサポート問い合わせの対象外(注2)となっています。

 Windows Azure Virtual Machineのメンテナンスやアップデートなどで予期せぬ再起動が、2012 Spring Release後も数度発生しています。正式リリースまでは、評価・検証目的でのみ使用し本番サービスでは使用しないことを推奨します。



注1
 SLAの適用対象外であることは、Windows Azureプレビュー機能の使用条件に提示されています。使用条件において「プレビュー機能が Windows Azureに関するいかなるサービス レベル アグリーメントの対象にもならないこと」と記載されています。





注2
 「Windows Azureの料金の詳細」より。



■Azure VMの概要

 Windows Azureで正式提供されてきたサービスはPaaS(Platform as a Service)と呼ばれるアプリケーションの実行基盤の提供でした。OS、ミドルウェア(.NET Framework)部分をマイクロソフトが管理と監視をし、ユーザーはアプリケーションに注力する形式でした。ユーザーはOSなどの管理をする手間が省ける反面、OSやフレームワークを自由にカスタマイズする自由が制限されていました。

 そこで、OSやミドルウェアをPaaSサービスに比べて自由に触ることができるIaaS(Infrastructure as a Service)として、Windows Azure VMロールがプレビュー版として提供されることになりました。Windows Azure VMロール(注3)は、ローカルのHyper-V上で作成した仮想イメージをWindows Azure上にアップデートして利用するサービスですが、データ領域が永続化されない、イメージを自分でアップロードしなければならないなどの制限が多く、使い勝手があまり良くないサービスでした。

 2012 Spring Releaseで発表されたWindows Azure Virtual Machineは、Windows Azure VMロールとはまったく別のサービスとして提供されています。

 Windows Azure Virtual Machineは、VHD(Virtual Hard Disk)を使用した仮想マシンのホスティング環境と表現できるサービスです。オンプレミスのHyper-V上のVHDと互換性があり、必要に応じてオンプレミスとクラウド間を行き来できます。Hyper-V上で使用していたVHDをWindows AzureストレージのBlobにアップロードすれば、Windows Azure Virtual Machineで使用できます。逆にWindows Azure Virtual Machineで使用していたVHDをダウンロードすれば、Hyper-V上で使用することができます(図1)。

図1 オンプレミスとクラウド間を自由に移動可能(注4


 WebロールやWorkerロールでは、ホストのコンポーネントの更新やハードウェアの故障時にもアプリケーションが動作するために最低でも2つのインスタンスを使用していれば、稼働率99.95%のSLA(Service Level Agreement)が提示されます。Windows Azure Virtual Machineでは、リリースに合わせ新しいSLAが用意されます。単一インスタンスで99.9%の稼働率のSLAが提示され、アベイラビリティ・セット(注5)を使用して2つ以上インスタンスを使用すれば99.95%の稼働率のSLAが提示される予定です。



注3
 Windows Azure VMロールの詳細については、「Windows Azure 第3のロール VMロール編」を参照。





注4
 Microsoft Architect EvangelistのClint氏(@clinted)のプレゼン資料を日本語に置き換えて使用させていただいている。





注5
 アベイラビリティ・セットを使用すると、仮想マシンはデータセンター内で物理的に分かれたラック上に配置され、ホストOSのアップグレード時に、同時にすべてのVMがアップグレードでメンテナンスダウンしないよう管理されます。





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