クラウド時代に必要とされるネットワーク仮想化と、ネットワーク設計の考え方

CodeZine / 2014年9月10日 14時0分

図7. 中小企業における仮想ルータ利用モデル

 本連載では、さくらインターネット研究所の独自調査に基づき、クラウド時代に必要となるネットワーク仮想化とその在り方についてご紹介します。タイトルにVyatta/VyOSとあるように、今回はネットワーク仮想化の根幹を成す仮想ルータ・ソフトウェア実装である「Brocade Vyatta vRouter」およびそのオープンソース版である「VyOS」についてメインに解説を行います。まずは私たちを取り巻くシステム環境とネットワーク仮想化の在り方についてみていきましょう。

■私たちを取り巻くシステム環境

 ネットワーク設計を考えるときは企業規模や運用ポリシーにより内容が大きく変化します。経済産業省の統計によれば、我が国の事業者数は300万を超えており、大企業と中小企業の数だけでも50万以上存在します(図1)。

図1. 我が国おける中小企業・小規模事業者の数


 この中で企業の拠点間を繋ぎ、パブリッククラウドやデータセンターを利用する企業数を推定すると、規模的に考えて大企業・中小企業を合わせた52万社以下であると考えられます。続いて、これら大企業・中小企業52万社における利用動向について、総務省の通信利用動向調査(クラウドサービスの利用内訳)から推定してみましょう。

 図2は、総務省の通信利用動向調査(クラウドサービスの利用内訳)から、明確な利用目的を出し利用動向を推定したものです。総務省の通信利用動向調査の中では「電子メール、ファイル管理・データ共有・スケジュール共有、社内情報共有・ポータルなど」については、クラウドサービスの利用内訳として高い比率が示されていました。しかし、その他の利用目的については低い比率が示されており、このことから大企業・中小企業では現在も「オープンソース・パッケージソフト・独自開発システム」により、自社やデータセンターの中でシステム稼働していることが推定されます。

 大企業・中小企業では運用ポリシーやセキュリティポリシーが異なるシステムを抱えることになり、必然的に「異なりポリシーを内包するネットワーク仮想化」が必要となってきます。読者の皆様が勤務されている会社を思い浮かべていただければ、この理論推定も容易に想像できるかと思います。

図2. 大企業・中小企業における通信利用動向(推定)


 続いて、大企業・中小企業におけるネットワーク仮想化の適用領域と場合分けについて見ていきましょう。



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