ライバル不在といえるほどの完成度! 足かせは軽々500万オーバーの価格か?【BMW328i試乗記】【レビュー:BMW】

CORISM / 2012年3月6日 8時8分

新型BMW3シリーズ

ひとクラス上の居住性とクオリティになった新型BMW3シリーズ

 BMWの主力モデルである3シリーズが7年ぶりにフルモデル・チェンジした。第6世代目になった3シリーズは日本には328iから導入され、次に320i、そして2012年秋にはアクティブ・ハイブリッド3やクリーンディーゼル搭載車が投入予定である。

 今回の試乗車の328iには”スポーツ”、”モダン”、”ラグジュアリー”の3つのスタイルが用意されている。エクステリアは、ホイルベースが50mm拡張されボディサイズが一回り大きくなった。3シリーズとは呼べない高級感、存在感があり5シリーズと呼んでもおかしくない。リヤスタイルはリヤトレッドが3cm拡大した以上に視覚的なドッシリとした安定感がある。全体の印象としては、良い意味での保守的なスタイルであるが、ヘッドライト周辺のエッジがシャープになりキリッとした精悍なフロントマスクがカッコ良く、スポーツセダンとして正常進化したスタイルである。

 5シリーズと見まがうエクステリアであるが、インテリアも同様により5シリーズに近づいた。リヤシートの足下は15mm伸びて広々とした室内、質感も向上、デザインのセンスも良く、一昔前の質実剛健のドイツ車からオシャレなイタリア車風のインテリアである。

 試乗車は”モダン”仕様でオプションの明るい色調のレザー・シートが採用されていた。このレザー・シートは高価なオプション(約20万円)であるが見て、触れて、座ってしまうと背伸びをしても欲しいオプションである。

 また、”モダン”仕様はインテリアトリムのクロームも効果的にアクセントとして配置されていて、他のスタイルとの区別にもなっている。唯一気になったのが1シリーズと同様に、ナビゲーションのディスプレイが後付けの様にダッシュボードから独立して配置されている事である。8.8インチのディスプレイは見易いが、5や7シリーズの様に最初からレイアウトして欲しかった。

BMWらしい、エコと気持ちの良い走りを両立するダウンサイジングエンジン

 雰囲気だけでなく走り出しても従来の3シリーズを超えた高級感は続く。どの速度域でも前モデルより確実に静かになっていて、外から聞こえる音もフィルターを通したように穏やかに耳に届く。アイドリングストップ機能はエコだけでなく静粛性にもプラスになっていて、上質感を更に高めている。

 328iと言ってもエンジンはダウンサイジングした4気筒2リッター・ツイン・ターボエンジンである。1,250rpmから4,800rpmの常用回転域で最大トルク350Nmを発生し、旧528i(6気筒3リッター)の最大トルクは310Nmと比較してもこの328iの方が勝っている。2,000rpmからハッキリとした力強さを感じ、3,000rpmを越えてからはシートに身体が押し付けられ、6,000rpmを過ぎてからやっとパワー感は一息きつきながらレッドゾーンまでスムーズにエンジンは回る。

 レスポンスも良く、絶対的にも発進から6.1秒で100km/hに到達する俊敏性を持つ。あたかも大排気量エンジンのように広いトルクバンドのエンジンであるが、それを無駄なくパワーを後輪に伝える8速ATがその速さに一役も二役も買っている。

 シフトショックも少なく、スムーズに走り、また定速走行時にはエンジンの回転は低めになり静粛性に役立つ。高速道路を周囲の流れに乗って走っていれば、燃費計は14km/L前後を示す経済性を合わせ持つ(JC08モード 15.2km/h)。速さはいらない、経済性が一番と思うのなら「ECO PROモード」スイッチを押せば、エンジンの出力特性を変更しシフトタイミングを早め、高いギヤをなるべく選択するだけでなく、エアコンの作動制限などをして容易に燃費を良くする事が出来る。気持よく走りたいとき以外は、ECO PROモードをONにして無駄に燃料を消費しないメリハリのある走りができるのもよい。

 性能が向上したエンジンであるが旧325iや330iに比較して官能的な面では劣る。1,000〜2.000rpm付近でざわついた音が一瞬聞こえるのと、6気筒エンジンでは回転数が高くなるに従い”カーン”と突き抜けるような気持ち良いサウンドが響いたが、このエンジンはそのドラマが無くなってしまった。またエンジンの再スタート時の振動が1シリーズ程ではないがやや大きかった。しかし大多数のユーザーは新型328iの方が良いと答えるだろう。

良い物が高価なのは分かるが、超円高なのだから価格もダウンサイジングを熱望する

 エンジンの話しばかりになってしまったが、スポーツセダンとしての期待も裏切らない。225/45R18の太い扁平タイヤを履いているがランフラットタイヤの重さも感じる事もなく、直進安定性も良く高速道路でもストレスは最小限である。

 乗り心地はソフトになったが、不整路面でも車体がふらつく事もなく、当たりは柔らかいが芯がしっかりした柔と剛が上手く噛み合ったサスペンションだ。ターンインでは、フロントがスムーズに切れ込み、狙ったライン通りにトレース出来るので、いつもより速いスピードでコーナーに進入しても何事もなく駆け抜けていける。「これぞFR!」の模範的な動きは、ハンドルを握るのが楽しくBMWの伝統は継承されている。

 ニュー328iは正常進化し、高級感を増しながら、走行性能、そして燃費性能も従来モデルと比較で24%も向上している。これだけ全てがレベルアップするとライバル車は大変だろうと余計な心配をしてしまう。

 しかし、良いものは高価であるのは理解しているが、レザーシートやサンルーフなどオプション満載の試乗車(+約60万円)の車両価格は645万2千円と聞いて驚いた。ナビも付いて日本車のように装備満載なのはわかるが、3シリーズの良さであった「手の届きやすいBMW」から少し遠ざかった。これだけ円高が続いているのだからエンジンだけでなく、価格もダウンサイジングして500万円を切るような価格設定を熱望する。

代表グレード BMW328iモダン
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4625×1800×1440mm
ホイールベース[mm] 2810mm
トレッド前/後[mm] 1525/1565mm
車両重量[kg] 1560kg
総排気量[cc] 1997cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 245ps(180kw)/5000rpm
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 350N・m/1250-4800rpm
ミッション 8速AT
タイヤサイズ 225/45 R18
燃費 JC08モード 15.2km/L
定員[人] 5人
税込価格[万円] 586万円
発売日 2012/2/11
レポート 丸山和敏
写真 編集部

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