待望のハイブリッド車が登場! 圧倒的な静粛性【トヨタ アルファード/ヴェルファイア ハイブリッド試乗記】【レビュー:トヨタ】
CORISM / 2012年3月8日 8時8分
待望の最高級ハイブリッドミニバンがデビュー! だが、重い・・・
とにかくデカくてインパクトのあるミニバンとして人気を誇ってきたアルファード/ヴェルファイア。しかし、イッキに迫り来るエコの波には勝てず、このクラスのミニバン人気も徐々にかげりを見せてきた。
2トン級ボディのクルマを買うという時点で、あまりエコなイメージはしないのだが、マーケットのニーズは低燃費なのだ。新車・中古車問わず、そんなこともあり主力は燃費のよい2.4Lエンジン車が主流。2008年の発売当時から、アルファード/ヴェルファイアには、ハイブリッド待望論があった。すでに、2006年に基本部分を共有するエスティマにはハイブリッドが用意されていたからだ。そいう意味では、今回発売されたアルファード/ヴェルファイアのハイブリッドは、まさにファンにとって待望の車種といえるだろうが、本音は「遅いよトヨタさん・・・」であろう。
期待したのは、エスティマハイブリッドから、どう進化させたのか? ということだった。しかし、とりあえずオトナの事情があるのか、スペックを見るかぎり結構ガックリした。約6年分の進歩は、ほとんどなしといことになる。そんなこんなで、燃費は2.2トン弱あるアルファード/ヴェルファイアのハイブリッドは、エスティマより100kg以上車重が重いこともあり燃費も悪くSRやGグレードなどの高級グレードではJC08で16.2km/L。車重が2トンをわずかに切るエスティマは、Gグレードで18.0km/Lとなっている。
圧倒的な静粛性は、最高級ミニバンにふさわしいハイブリッド車ならではの世界
進歩がないと言っても、16.2km/Lである。ライバル日産エルグランドの250ハイウェイスターが10.8km/Lなので、1.5倍の燃費だ。燃費だけで考えれば、エルグランドをはるかに超える魅力がある。ただ、燃料費コストの削減という視点では、ガソリン車の2倍弱くらの燃費が出なければ、ハイブリッド車としての効率はさほどよくない。
しかし、やはりハイブリッド車の魅力は確かにある。ハイブリッド車を所有するイニシャルコストは納得できるが、ランニングコストを抑えたい。また、圧倒的な静粛性が必要という人に向く。
この静粛性は、アルファード/ヴェルファイアをより高級ミニバンとしての価値を引き上げた。直4の2.4Lエンジンの振動や静粛性は、かなり高いレベルで抑えられている。走りだすと、タイヤが路面と擦れて音を出すロードノイズくらいしか聞こえてこないくらいだ。7人乗りの2列目革張りのキャプテンシートに身を沈めると、思わず「フゥー」というため息が。まさに、高級ミニバンといえるリラックスできる空間がアルファード/ヴェルファイアハイブリッドにはある。
ただ、乗り心という面では、ライバルのエルグランドが上をいく。トーションビーム式のリヤサスでは、やはりゴツゴツとした感じや峠道をスイスイという訳にはいかない。運転席では分かりにくいので、誰かに運転してもらい後席の乗り心地を比べてみるといい。また、重心が高いため、直進安定性やカーブでの安定感もエルグランドより、やや劣る傾向にある。ガソリン車同士を比較評価すると静粛性は、若干エルグランドが上の印象だ。ガソリン車で選択するのなら、エルグランドとの比較試乗は必須だ。
ハイブリッド車なので、速さには割り切りが必要。3.5L車の豪快な速さは、まったくない。2.4Lガソリン車より、ちょっとパワフルかなぁ程度だ。停止時からスタートは、モーターのアシストがあるので、少しパワフルな感じがするが、エンジンを回していくようなシチュエーションになると、もうほとんど差がない。エンジンを回せば回すほど燃費は悪化するので、ハイブリッド車はゆったりゆっくりが向く。
装備面では、エスティマハイブリッドにあるAC100V/1,500Wのアクセサリーコンセントが装着されていない。エスティマハイブリッドのテレビCMで、アピールされている通りエスティマハイブリッドは、震災時に発電機としての機能があるとして注目された。これが、アルファード/ヴェルファイアハイブリッドにはない。アイドリングをさせて用も無いのに発電という使い方はNGだが、電気のある所でこんな使い方は、そもそもしないだろう。
また、発電にはアイドリングをする必要があるとはいえ、汎用の発電機よりクリーンで静か。使い方次第ではないかと思う。トヨタも付け忘れた? ということを感じさせるようなコメントをトヨタのサイト内に掲載しており、早い段階での装着をすすめるという。
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