諦めて役者を辞めようと思った寸前「なつぞら」の“番長”役でブレイク!

CREA WEB / 2019年11月22日 17時0分

 朝ドラ「なつぞら」の“番長”役で一躍注目を浴びた板橋駿谷。新作出演映画『歩けない僕らは』では打って変わって、リハビリ病院のリーダー役を演じる。自身の転機について語った。

人を笑顔にできる
役者を目指したい!


――まずは、幼い頃の夢を教えてください。

 中学3年、15歳のときに、進路相談があって、自分が将来なりたいものをいろいろ考えたんです。3歳のとき、おじいちゃんにお酌するときに、TVで見たコロッケさんのモノマネをマネしたら、めちゃくちゃ笑ってくれたことを、ふと思い出しました。

 小学4年のときの国語の授業で、先生から音読を褒められて、「将来、声優を目指してみたら?」とアドバイスを受けたことも。それで、人を笑顔にできる役者を目指そうと思いました。

――その後、日本大学芸術学部演劇学科在学中の2005年に、自身で劇団を立ち上げられましたが、その理由は?

 俺的には映像や舞台とか、垣根は一切ないんです。とにかく、そのときに面白いと思ったことをやりたいだけ。その後、「劇団ロロ」に入って、2015年には演劇集団「さんぴん」を旗揚げしたんですが、同世代の俳優・ダンサーと一緒に何か新しい芝居ができないかなって。

 劇団名の由来はもちろん、「さんピンCAMP」(1996年に開催された伝説のヒップホップイベント)からなんですけれど(笑)。

じつは演出家の
指名だった“番長”


――ちなみに、板橋さんにとって、転機となった出来事や作品は?

 大学の後輩だった三浦直之が主宰する「劇団ロロ」に出会ったこと。高校の柔道部で知り合った奥田庸介が監督した映画に出たことも大きかったと思います。それと、作品でいえば、オーディションではなく、直接声を掛けていただいて、門倉努役を演じたNHK連続テレビ小説「なつぞら」ですね。

 演出家の田中正さんは「劇団ロロ」の舞台を観に来てくださって、よくお酒を飲むような関係だったんです。それで2018年にお会いしたときに「板橋くん、役があるから、スケジュール空けといて」と言われました。昭和の番長のイメージが僕にピッタリだったようです。

――番長役で状況が一転したわけですが、これまで俳優を辞めようと思ったことは?

 35歳という年齢だし、こんなにいい台本って、一生に何度も出会わないと思いました。番長役でちょっとでも跳ねなかったら、役者を辞めて、実家に帰るなり、別の仕事に就くことも考えていました。如実に俺に才能がないことを突き付けられるわけですし。役者って、正直なところ、辞めるきっかけがない仕事ですからね。

新作映画では
どっしり構えた病院のリーダー役


――ちなみに、今回公開される『歩けない僕らは』は、そんな番長役をオファーされる前に出演された作品ですね。リハビリ病院のリーダーである田口は、番長とは全然違ったキャラクターですね。

 この作品に入る前に、ちょっとした事故で膝を手術することになって、理学療法士の方にお世話になったんです。そのときに肌で感じられた「どうしたら患者さんが安心するか?」といった空気感を表現しようと思いました。

 また、立場的には上に課長がいて、下に新人がいるという感じも表現したかった。そういったことをベースに田口を作り上げていこうと思いました。ただ、今だから言えますけれど、この時期は、映像の仕事をあまりやっていなかったこともあって、かなりプレッシャーを感じていましたね。

――映画『歩けない僕らは』では、どんな新しい板橋さんが観られると思いますか?

 田口は常に仕事のことを真面目に考えている、とても普通の人なんです。役者をやっていると、番長のようにクセのあるキャラを演じるときもあれば、普通の人を普通に演じるときもあります。それはそれで大変ですが、とてもやりがいがありました。

 番長のあたふたしたイメージもありますが、今回はどっしりと構えた落ち着いた男を演じているので、そこを観ていただきたいですね。

"海外"という
先のステップに進んでみたい


――将来の目標や展望などがあれば教えてください。

「なんじゃそれ?」と思われるかもしれませんが、海外に活動の場を広げてみたいです。日本だけじゃなくて、海外の人にも、俺の芝居で楽しんでもらえるような存在になりたいんです。

 小学生のときから、東京に憧れを持っていて、大学のときに上京したんですが、こんな風に世間に知ってもらえる状況になった今、もっともっと先のステップに進んでみたいと思ってるんです。


板橋駿谷
(いたばし・しゅんや)

1984年7月1日生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒業後、「劇団ロロ」に所属。『青春墓場』シリーズや『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』などに出演。2019年、NHK朝ドラ「なつぞら」で、高校生の番長・門倉役を演じ、一躍注目を浴びる。ドラマ「左ききのエレン」にゲスト出演。


『歩けない僕らは』

慣れない仕事に日々戸惑う、回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士・遥(宇野愛海)。リーダーの田口(板橋駿谷)や仲間に励まされている遥が新たに担当したのは、脳卒中で左半身が不随になった柘植(落合モトキ)。ある日、柘植から「元の人生には戻れますかね?」と聞かれた遥は、何も答えることができなかった。併映作品『ガンバレとかうるせぇ』

2019年11月23日(土)~11月29日(金)新宿K’s cinema、11月26日(火)~12月1日(日)長野・上田映劇、11月29日(金)~12月5日(木)、愛知・刈谷日劇 11月30日(土)~12月6日(金)、大阪・シアターセブン 12月6日(金)~12月12日(木)、大分・別府ブルーバード劇場 12月21日(土)~1月3日(金)、神奈川・横浜シネマリンほか、全国順次公開。
https://www.aruboku.net/
(C)映画『歩けない僕らは』

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子

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