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銀シャリ・鰻が「本気で悩んでいる」 愛猫の幸福と縮まぬ息子との距離感

CREA WEB / 2021年9月28日 19時0分


銀シャリ・鰻和弘さんと愛猫のしっぽな(左)、はっさく(右)。「メゾンキツネのロゴと奇跡の同じ色合いでした」(鰻さん)

 お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう連載「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第8回に登場いただくのは、『M-1グランプリ2016』王者の銀シャリ・鰻和弘さん。

 現在、家族3人で、オスで7歳のしっぽなくんとはっさくくんの2匹と暮らしています。

 大阪から東京へ拠点を移した際、新しい生活に慣れるまで時間がかかったという2匹。じつは、3歳のお子さんとただならない距離感を取っているようで……? 取材中、「猫の気持ちは猫になってみないとわからない」と語る鰻さん独自の視点にも注目です。

 また、自分の上半身に「乳首アート」というオリジナリティ溢れる絵を描くことでも知られている鰻さん。この日は、事前に「乳首アート」ではっさくくんのイラストをCREA WEBのためだけに描いてきてくださいました。インタビュー後半でご紹介します!

同棲をきっかけに迎えた保護猫2匹


――2匹と暮らすようになった経緯を教えてください。

 ずっと猫を飼ってみたかったんですけど、1人暮らしの時は家におらんことが多いので、諦めてたんです。けど、大阪におった頃、今の奥さんと同棲することになって。2人やったら世話もできるやろうということで飼うことにしました。

――2匹とは、どんなふうに出会ったんですか?

 里親募集のサイトをめちゃくちゃ調べて、顔が優しいなと思った2匹を選びました。はっさくは大阪の公園で、しっぽなは大学の敷地内で暮らしていたところを保護された猫でした。

 大学におったからですかね、しっぽなは品があるんですよ。置き物みたいに足を体にピタッとつけてスッと姿勢よく座ってることが多いです。


置き物みたいなしっぽな。

――最初から1匹ではなく、2匹を選んだのは?

 1匹やったら寂しいんちゃうかと思って。で、どちらかを先に入れると縄張り争いが起きると聞いたので、同時に家に迎え入れたんです。それがよかったのか、最初から2匹は仲良しでした。

——2匹はどんな性格ですか?

 しっぽなは“猫っぽい猫”で、ツンデレ。人にあんまり近寄ってこないし、ビビリです。

 はっさくは人懐こくて、最初から僕らに近寄ってきました。知らない人が来ると最初は隠れてますけど、10分くらい経ったら平気な顔して出てきますね。

――「しっぽな」と「はっさく」、2匹の名前の由来を教えてください。

 奥さんと1匹ずつ名前をつけようということになりまして、僕が「はっさく」を名づけました。元々、柑橘のはっさくが好きなんですけど、丸まってた時、茶色い毛が黄色っぽく見えたから、そう名付けて。

「しっぽな」は、奥さんが『ひみつのアッコちゃん』が好きで、アッコちゃんが飼ってた猫の名前が「シッポナ」やったんで、そうつけたと聞きました。

 普段はしっぽなを「しぽちゃん」、はっさくを「はちゃん」って呼んでます。

うちの子ベストショット①

「飼い始めて間もない時」


しっぽな(左)とはっさく(右)。

――大阪から東京へ拠点を移された時に、2匹も一緒に上京したんですよね。

 そうですね。引っ越しがめちゃくちゃ大変で。僕が2匹を連れて先に東京に来たんですけど、環境が変わったせいか、2匹ともずっと鳴いてて。何しても治らないし、ご飯も食わなくて、僕もずっと寝られませんでした。そこから徐々に慣れてきたんですけど。

なかなか縮まらない、猫と息子の距離感

――しばらくして、お子さんが生まれたそうですが、奥さんと鰻さん、そしてお子さんに対して、2匹は今どんな距離感なんですか?

 それがねぇ……。子供はいま3歳なんですけど、猫との距離はいまだにずっと縮まらないままなんですよ。僕と奥さんにも子供のいる空間ではあんまり近づかなくなってしまいました。

――では、お子さんと2匹の初対面はどんな感じだったんですか?

 2匹とも、子供を見た瞬間にダッシュして「その隙間、入るんか?」っていうような場所に隠れてしまいました。

 最初は精神的にもだいぶやられてたみたいで、食も細くなってましたし、毛並みも悪くなってしまって。


——その状態から3年経ってもなかなか慣れない、と。

 しっぽなは子供がいる生活に少しは慣れた感じがありますけど、はっさくはまったくダメですね。

 子供って力加減がわからないから、叩くように撫でたりするじゃないですか。猫としてはそれがめっちゃ嫌みたいで。

 もちろん「優しくせなあかんで」って言い聞かせてるんですけど……。子供は猫に興味があるから、猫がトイレしているところをわざわざ見に行ったり、キャットタワーを揺らしたりして困らせてしまうんです。結局シャーって引っかかれて泣いてしまうんですけどね。

――「子供だからしょうがない」と甘んじて受け入れているように見える猫もSNSなどでは見かけますが、なかなか難しいですね。

 あと1~2年くらいですかねぇ? 子供がもう少し大きくなるまで、仲良くなるのは難しいかもしれないですね。

うちの子ベストショット②

「仲が良く、大体寄り添って寝てる」


――2匹の心休まる時間はあるんでしょうか。

 子供がいる時間はキャットタワーの上のほうから様子を伺っていたり、やぐらみたいなところに隠れてるんですけど、夜9時頃、奥さんと子供が寝室に行ったら、ようやく出てくるんです。

 はっさくは僕の前にごろんと寝転がってなでてほしそうにするし、今まであまり近寄らなかったしっぽなも僕の横にぴったりとくっつくようになって。

――鰻さんの存在が、2匹にとって心の拠りどころになっているんですね。

 そうなんですかねぇ(笑)? 確かに僕が夜遅くに帰ってきてご飯を食べていると、2匹ともめちゃくちゃ近寄って来てくれますね。ある時、しゃぶしゃぶを食べてたんですよ。しゃぶしゃぶした肉をポン酢につけて食べようとしたら、僕にぴったりとくっつきすぎた猫の尻尾がポン酢に浸かっていて……最悪でしょ(笑)。それくらい近くにいますね。

「猫のことでマジで悩んでることがある」


――実際、念願だった猫との生活はいかがですか?

 距離感が本当にちょうどええっす。僕、昼寝する時、猫の近くにシングルの細~い布団をうまいこと敷いて、猫を見ながら寝るのが好きなんですよ。2匹の寝ている姿を見てると幸せそうで、うらやましくなるんですよね。

――ちなみに、これまで動物と暮らした経験は?

 小学生の頃、ハムスターを飼っていたことがあります。大事に可愛がってたんですけど、屋根裏に棲みついていた野生のイタチに深夜、襲われてしまったんです。まさかカゴの扉を開けられるとは思わず……。泣きながら学校に行きました。

 その経験がトラウマになって、ペットを飼うことにはずっと慎重になってしまって。「次に動物と暮らすなら、あの時と同じことは二度と起こしてはいけない。命は大事にせなあかん」と思うようになったんです。

 それでいうと、猫のことでマジで悩んでることがひとつあるんですよ。


――なんですか、それは。

 贅沢なキャットフードを毎日食べる生活と、健康的なキャットフードを毎日食べる生活、どっちがええんやろうなって。

――前者じゃないですか?

 そうなんでしょうけど、健康食を食べて長生きするほうが猫にとっての幸せなのか、少し命は短くなっても猫たちが食べたがるものを食べたほうが幸せなのか。

――鰻さんは、猫の幸福度が気になると。

 動物病院の先生に「6~7歳になると、何かしらの持病が出てくるかもしれません」って言われてから、どっちが猫たちにとって幸せなのか、わからなくなって。

 もう毎晩、猫の顔を見ながら、どっちがええんか、どっちが幸せなんか、ずーっと考え続けてるんです。

――鰻さんが長く一緒にいたいと思うのであれば、健康食のほうがいいのでは?

 もちろんそうです。けど、「長く一緒に」は僕のエゴじゃないですか。猫になってみないと、本当の気持ちはわからないと思うんです。

 やっぱりねぇ、贅沢なキャットフードやと、がっつき具合が全然違うんですよ。贅沢なやつだと「早くくれや!」って鳴くくらいテンションが上がってますし、逆に健康的なやつだと「今日もこれかぁ……」みたいな顔して食うてるんですよ。僕で例えるなら、そんなに好きじゃないきんぴらごぼうと大好きな天津飯を食べるスピードくらいの違いがあるんです。


違いがあるんです。

 いろんな考え方があるのでどっちでもいいと思いますけど、僕自身、薄くて長い人生より濃くて短い人生のほうがええなぁと思っていることもあって。奥さんは健康志向なので、今のところ健康的なキャットフード多めなんですけどね。答えがなかなか出ないんです。

――「人間の思う幸せ」と「猫にとっての幸せ」、考えさせられますね。例えば、病気になってしまって、人間の手を施さなければ助からないとわかった時は、どんな決断をされますか?

 その場合はできる限り、なんとかしてあげたいです。やっぱり長生きはしてほしいですからね。

 じつは僕、2匹が2歳くらいの頃から、最期どうするかも考えてるんですよ。

うちの子ベストショット③

「表情が好きで集めてるトイレ写真」


——亡くなったあとのことですか。

 できるかどうかはわからないんですけど、宇宙葬をしたいなと思ってるんです。宇宙葬って何百組かで一緒にはなってしまうらしいんですけど、一瞬、流れ星として見えるんですって。宇宙に興味があるので、猫たちにも経験させてあげたくて。

 亡くなったあとなら、僕が多少のエゴを出しても許してくれるんちゃうかなって思ってるんですけどね。

――そのことに関して、奥様はなんとおっしゃってるんですか?

 宇宙葬に関しては無視されてます(笑)。


――(笑)。では最後に、鰻さんにとって、しっぽなくんとはっさくくんはどんな存在ですか?

 ベタですけど、やっぱり家族じゃないですかね? あと、人間も動物なんやって改めて思い知らせてくれる存在というか。

 人間って頭がいいからこそ、変なルールとか偏見や考えが邪魔してしまうところがあると思うんです。けど、猫って寝たい時に寝て、起きたい時に起きて、食べたい時に食べるじゃないですか。欲に正直ですよね。誰かと自分を比べることもないし、他人の視線を意識して行動もしない。同じ生き物として、勉強になることが多いんですよ。

――鰻さんにとって、猫と過ごす時間って本当に大切なんですね。

 気持ちが重たくなった時、猫を見てるとリセットされるんです。いろんなことがふわーっと浄化されていくというか。僕にとって、あの時間はほんまにめちゃくちゃ大事ですね。

鰻和弘(うなぎ・かずひろ)

1983年8月31日生まれ。大阪府出身。2005年に橋本直とお笑いコンビ・銀シャリを結成。ABCお笑い新人グランプリ第28回新人賞、第29回優秀新人賞、「NHK上方漫才コンテスト」第39回優秀賞など。2016年には「M-1グランプリ」で優勝。絵を描くことをライフワークとし、乳首を絵に溶け込ませる「乳首アート」の個展も開催している。
YouTube:銀シャリチャンネル【公式】
Twitter:@ginsyariunagi
Instagram:@unaginigaoe

銀シャリ・鰻さんの「乳首アート」ギャラリー

 絵を描くことをライフワークとしている鰻さん。毎日新聞大阪版のコラム「銀シャリのしゃシャリでてすみません」のイラストや、お子さんと猫の日常を綴った4コマ漫画「うなぎ家の稚魚」(ESSE)など、そのほんわかとしたイラストが評判です。

 なかでも人気を集めているのが自らの乳首を絵に溶け込ませる「乳首アート」。今年2月には約100点の作品を集めた写真展を渋谷パルコで開催しました。

 CREA WEBのために描いてきてくださったというはっさくくんの乳首アートをご紹介します!


インタビュー終了後、鰻さんの「実は乳首アート描いてきてて……」の一言に取材陣は歓喜。

脇のところで線が見事に繋がっています。


「はっさくの好きな『毛玉ボール』と『肉球』を、乳首に溶け込ませました」(鰻さん)

文=高本亜紀
撮影=山元茂樹
写真=鰻和弘

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