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【今注目のレコードと〇〇】 カレーとレコードとバーと 渋谷「BLOW UP」

CREA WEB / 2021年10月19日 18時0分

 ここ数年、リスニングスタイルがダウンロードやストリーミングへと変化している一方で、レコードの人気が世界的に高まってきている。

 アナログ独特のあたたかいふくよかな音の魅力はもちろん、ターンテーブルにレコードを乗せて、針を置くという所作もワクワク感を高めてくれる。

 ただ、レコード専門店に足を踏み入れるのは少しハードルが高いもの。だけど、最近はレコードだけなく、こだわりのコーヒーを淹れてくれたり、スパイスの効いたカレーを提供してくれたりする、楽しみがプラスオンなレコードショップが都内に増えてきているのだ。

 レコード初心者でも安心して足を運べる”レコードショップ兼〇〇”という、注目の5軒を紹介していこう。


“カレーとお酒”を堪能できる「BLOW UP」


居酒屋などが入った小さなビルの片隅に位置しており、知る人ぞ知る隠れ家のような雰囲気が魅力的。

 渋谷駅から徒歩5分ほど。さまざまな店が軒を連ねる道を抜け、「渋谷マークシティ」の裏道にあたる坂道を上っていくとこぢんまりとしたレコードショップがある。

 数々の名店でバイヤーを務めたDJの北村圭士郎 a.k.a. CHINTAMさんが、2018年にオープンさせた「BLOW UP」は、ランチはカレー、夜はバーとしても営業している。


店主の北村圭士郎 a.k.a. CHINTAMさんは、DJとして活動しながら、さまざまなレコードショップでバイヤーとしても努めていた経歴がある。

 どこか隠れ家のような雰囲気も漂う同店は、食事をしながらお酒も飲めて、レコードも選べるというコンセプトの元、オープンさせたのだとか。

「意外とそういうコンセプトのお店が無くて、レコードを提供しながらみんなでワイワイできたら良いなと思ったのがきっかけでした。お店をオープンさせてからしばらくは夕方から夜だけの営業だったんですが、お昼の時間がもったいないな、と思いだして、自分でやれることはないかなと思ってスタートさせたのがカレーの提供です」


スパイシーポークカレー(1000円)。

 同店の定番メニューであるスパイシーポークカレーは、ゴロっとした豚肉の食感と14種のスパイスがピリッと効いており、副菜にはトマトや季節の野菜、酸味のある紫キャベツなどがついてくる。受注制で冷凍でも販売しているため、同店こだわりの一品を自宅で楽しめるのも嬉しい。

「元々、カレーが好きだったことから始めたんですが、真剣に取り組んだらやれるものだなと思いましたね。嬉しいことにお客さんもちょこちょこと来てくれるようになって」

 そう語るように近隣に勤めるサラリーマンからレコード目当てのお客さんまでもCHINTAMさんのカレーのリピーターとなって、完売してしまう日もあるほどの人気ぶりだ。

 レコードショップが土台にある「BLOW UP」だが、コンセプト通りカレー以外にも食事を提供している。

「夜の時間帯には、大衆居酒屋にあるような煮込みを出したり、冬場はおでんを出したり、『レコードショップなのになんでこんなのが出てくるの!?』って驚かれることも多いです(笑)。ちょっとしたシャレのひとつでもあるんですが、もっとできるんことがあるんじゃないのかなと、本気でいろんなものを作っています。カレーもそうですが、まだまだ模索中なんですけどね」

さまざまな職種の人が集う交流の場所

「BLOW UP」という店名の由来を聞いてみると、これまでレコードショップで勤めてきてDJとしても活躍しているCHINTAMさんらしい答えが返ってきた。

「鈴木 勲さんというジャズベーシストの方がいて、『BLOW UP』というアルバムと曲があるんです。1997年くらいにレコードショップで働いていたんですが、そのお店でたまたま出会った一枚で、聴いた時に感動するほどかっこ良くて、いつかお店をやれることがあれば店名にしたいとずっと考えていました」

 店舗がオープンしたのは2018年だが、2008年にはオンラインWEBショップとしてスタートしていた「BLOW UP」。

「某大手レコードショップでバイヤーとして働きながら運営していたんですが、こぢんまりとしていても自分の好きなものを扱うお店をやりたいなと思って、そのレコードショップを辞めて実店舗をオープンさせました」


ブラックミュージックをメインに、70年代から最新のレコードまで約1200枚置かれている。

 なぜこの土地にオープンさせたのか話を聞いてみると、渋谷が思い入れのある土地だったからなのだとか。

「元々、働いていたレコードショップが渋谷にあったというのが理由で、馴染みのある土地で探していたんです。最初は宇田川町でオープンさせようと考えていました。レコード好きな人は知っていると思うんですけど、宇田川町は世界一のレコード市場と言われるほど栄えていた場所だったんです。でも、リーマンショックを境に、海外から日本にレコードが全く入ってこなくなってしまい、個人店が急激に減って、客層とか感覚も変わっていって……自分も少し宇田川町から離れてもいいのかなと思ったんです。

 友達がたまたまここの近くでお店をやっていて、よく飲みに行っていたのでこの辺の土地勘もあり、探していたらこの場所がタイミング良く見つかったんです」


カウンター6席のみのこぢんまりとした場所だからこそCHINTAMさんや他のお客さんとの会話が楽しめ、新しい出会いが待っている。

 今年で店舗をオープンさせて3年目を迎えた『BLOW UP』。隠れ家のような場所だが、さまざまな職種の人たちが通う。

「うちの店を知らない人からすると”坂を上がったところにレコードショップがある””ちょっと入りづらいな…”とか思うかもしれないんですけど、音楽関係の人たちをはじめ、ファッション関係の人や近隣で働いているサラリーマンやOLさん、学生もいますし、お客さんの層は本当に幅広いですね」

 一度足を踏み入れたら、どんな職種の人でも「BLOW UP」の魅力にハマってしまうのは、気さくで朗らかなCHINTAMさんの人柄もあるのだろう。

 すでに多くの人を惹きつけているが、これからさらにどんなお店となって欲しいのだろうか。

「場所的に居酒屋も多いのでバーとしての印象が強いかもしれないですけど、僕としてはレコードに馴染みのなかった若い人やサラリーマン、OLさんに興味を持ってもらえる場所になってほしいんです。例えば、ジャケットを見て可愛いとかカッコいいと感じたのが入り口でもいいと思っています。

 あとは狭い空間だからこそ人との出会いがあって、ここからいろんなことが広がった人もいるのでそういう場所として楽しんでもらえたら嬉しいですね」

BLOW UP

所在地 東京都渋谷区道玄坂1丁目15-3 プリメーラ道玄坂106B
電話番号 03-6416-1455
営業時間 15:00~21:00(ラストオーダー・お酒の提供は20:00まで)
定休日 日、月、火、水
※上記は自粛期間の営業時間、定休日になります。通常は平日12:00~14:00、18:00~24:00。土曜16:00~24:00。日・祝定休日になります。
HP http://blowup-records.com/
Instagram @blowuprecords
Facebook https://www.facebook.com/BLOW-UP-321877941182082/
※営業時間など詳細は上記ページをご確認ください。

文=渡里友子
写真=今井知佑

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