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夜更かししてどっぷり浸りたい! クセ強めな映像世界4選

CREA WEB / 2021年11月7日 11時0分

 発売中の雑誌『CREA』2021年秋号「明日のためのエンタメリスト」より、「今なりたい気分」に寄り添う名作映画32選にて紹介しきれなかった作品を、秋の夜長にちょっとずつご紹介します。

 第3弾は、独特だけどクセになる映像美に凝った傑作を集結!


奇想天外な大林ワールド満載! 伝説のカルトムービー

『HOUSE ハウス』


「少女たちが『家』にバリボリと貪り食べられていく映画なのですが、全部、最高の嘘でできている世界観で、わたしは大好きです。カットのつなぎ、台詞まわし、登場人物の名前、キャラ設定まで、すべてに笑いながらツッコミを入れたくなってしまいます(笑)。

 目に焼きついているのは、ピアノの蓋が少女の指を噛みちぎるシーン、家が血の洪水で溢れて畳が浮き上がり、その上で少女が逃げ惑い全裸で暴れるシーンです。そして、すべての少女を食い尽くした朝、何ごともなかったかのような平和な家の画に、『今日からこの家に嫁いできませんか?』というゴダイゴのテーマ曲が流れるシーン。

 わたしが女性だからかもしれませんが、女性が家に食われる、ということの業の深さのようなものさえ感じました」(吉開菜央さん)

 大林宣彦監督の商業映画デビュー作。“家”が少女たちを食べてしまう不思議な世界観を持った、ファンタスティックホラー。画面合成による特撮、歯切れのいいカッティングが話題に。奇想天外なストーリーとポップアートのような映像は、いまも色褪せることなく、国内外でカルト的な注目を集めている。

●あらすじ●

中学生の少女オシャレは父から再婚相手を紹介され、そのショックで夏休みを田舎のおばちゃまのところで過ごすことに。紫色の森の中で古屋敷は少女たちを待っていた。ひとり暮らしのおばちゃまは、突然の訪問にもかかわらず、7人の少女を歓迎する。しかし、実はこのおばちゃま、数年前にすでに他界していた……。

『HOUSE ハウス〈東宝DVD名作セレクション〉』

監督・製作:大林宣彦
出演:池上季実子、大場久美子、松原愛、神保美喜、南田洋子、小林亜星、ゴダイゴほか
1977年/日本/88分
DVD 2,750円(税込)
発売元・販売元:東宝

時間を逆行するというゲーム性と莫大な制作費を投じた驚異の映像技術

『TENET テネット』


「パラレルワールドの表現方法が凄すぎ! 公開時期がコロナ禍ということもあって、劇場に行くことを家族に反対されましたが、どうしてもIMAXで観たくて、完全防備を条件にIMAXで体験することができました。

 やっぱり逆再生の戦闘シーンが見どころですね。一見片方の世界が逆再生で滑稽に見えるかも知れませんが、パラレルワールドを同じ時間軸に落とし込むという手法はこれまで観たことがなく、衝撃を受けました」(菅原敬太さん)

 製作費2億ドル超え! クリストファー・ノーラン監督によるタイムサスペンス超大作。時間が逆行するゲーム性をリアルに描き、常識を覆す映像の数々。現在から未来に挑むパラレルワールドを、世界7カ国を舞台にIMAX®カメラで撮影、驚異のスケールで放つ。

 順行と逆行を同時に進む人物や物体が、再生と逆再生により、一つのフレームの中で繰り広げられていく。俳優たちは後ろむきに歩いたり、パンチの手を引っ込めたりと、CGを使わないアナログ方式の逆再生シーンも話題に。



●あらすじ●

特殊部隊の任務中に捕らえられた“名もなき男”は、突然あるミッションを命じられた。それは、〈時間のルール〉から脱出すること。そして、時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、未来からの敵と戦って第三次世界大戦を防ぐというもの。そのキーワードは〈TENET テネット〉。相棒と共に任務を遂行し、大いなる謎を解き明かすことができるのか?

『TENET テネット』

監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デイビッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナーほか
2020年/アメリカ/150分
Tenet © 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
Blu-ray 2,619円(税込) DVD 1,572円(税込) /デジタル配信中
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント

世界中のクリエイターに影響を与えた噂のラストシーンは必見!

『砂丘』


「ヒッピー・ムーブメントが吹き荒れ、学生運動が盛んなカリフォルニアで、警官を射殺した疑いをかけられセスナ機を盗んで逃亡する男と、砂漠を車で突き進む女。大量生産・大量消費社会の本格化と空しさを描いた、虚無映画の傑作だ。

 本来は笑えるとかポジティブな作品ではまったくないのだが、ラストの爆発シーンのしつこいスロー&リピートにいつも笑ってしまう。この真剣な馬鹿馬鹿しさが本作の魅力だと思う。ピンク・フロイドをはじめ、劇中で聴かれる音楽も最高」(青野賢一さん)

「怒り」と「悲しみ」を映像化したラストや、ピンク・フロイドとのコラボは必見! イタリアの巨匠、ミケランジェロ・アントニオーニが、ピュリッツァー賞受賞作家のサム・シェパードと組み、不条理な世界に飲み込まれていく若者の姿を描いた、ニューシネマの代表的な一作。



●あらすじ●

舞台は1960年代後期のアメリカ。黒人差別撤廃が叫ばれ、公民権運動、ベトナム反戦運動が激化し、学園闘争の嵐が吹き荒れる南カリフォルニアのとある大学。一学生でしかなかった青年は、突入して目の前で銃弾に倒れた警官を殺したという罪で追われる身となる。あてのない逃亡を続ける中、砂漠地帯へ向けて小型飛行機を飛ばす……。

『砂丘』

監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:マーク・フレチェット、ダリア・ハルプリン、ロッド・テイラー、ハリソン・フォードほか
1970年/アメリカ/約114分
© 1970 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
DVD 1,572円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

巧妙に張り巡らされた伏線やサブリミナル効果をどう読み解く?

『ファイト・クラブ』


「初めて見たときは“どんでん返し”ではなく、物語が進むにつれ、じわじわと滲み出てくるような真実へのつなぎ方に衝撃を受けました。エドワード・ノートンの怪演も見どころ。中でも、ノートン演じる主人公“僕”が上司のオフィスで自分を殴るシーン。血のドス黒さが目に焼きついて忘れられません」(MELRAWさん)

 ブラッド・ピット×エドワード・ノートン×デイビッド・フィンチャー監督が放つ、常識や価値観を破壊するエンターテインメントの傑作。謎の多いエンディングも、ネタを知ったうえで見返すと、さらなる伏線に気づかされるという巧妙さ。人間の欲望と病魔を、消費社会を象徴するサブリミナル効果を駆使して描いている、実験性の高い作品。

●あらすじ●

保険会社に勤める“僕”は、数カ月間不眠症に悩まされていた。彼の空虚な生活は、謎の男タイラーと出会ってから一変する。自宅が火事になった“僕”は、仕方なくタイラーの家へ居候することに。やがて「お互いに殴り合う」というファイト目当ての男たちが集いあい、秘密組織“ファイト・クラブ”がつくられる。

『ファイト・クラブ』

監督:デイビッド・フィンチャー
出演:エドワード・ノートン、ブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム・カーターほか
1999年/アメリカ/139分
© 2014 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.
Blu-ray 2,096円(税込)/デジタル配信中
発売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン

映画を愛するレコメンダー

吉開菜央(よしがい・なお)さん

映画作家・ダンサー・振付家。写真家の石川直樹とタッグを組み、監督、出演した映画『Shari』が渋谷ユーロスペースほかで上映中。

菅原敬太(すがわら・けいた)さん

イベントクリエイター。服と甘味を求める“ファッショニスタ”で、“カンミニスタ”でもある。文化服装学院 非常勤講師も務める。

青野賢一(あおの・けんいち)さん

ライター、DJ、選曲家など。ファッション、音楽、映画、文学、美術などを論ずるライターとしても幅広く活動中。

MELRAW(めるろう)さん

ミュージシャン。ジャンルを超えてシーンをつなぐマルチプレイヤー。映画『ゾッキ』の音楽プロデュースも手がける。最新シングル「With You」配信中。

文=大嶋律子(Giraffe)

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