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元宝塚トップスター・珠城りょうの 新たな挑戦【後編・動画あり】 「頑張りすぎず、自然体で楽しみたい」

CREA WEB / 2021年11月3日 17時0分


 宝塚歌劇団トップスターとして活躍し、今年8月15日に歌劇団を退団したばかり。その珠城さんの退団後1作目は、宝塚歌劇団の花組と月組の100周年を記念しおこなわれる、祝祭感あふれるOG公演『Greatest Moment』だ。

 大きな話題となった退団公演について、退団後の今、退団後初めて舞台に向かう想い、そしてこの先のこと……。ストレートな思いを語っていただきました。


「退団してすぐのタイミングでOG公演に出られるなんて思ってもみなかったです」

――退団のときに、その後の進路を明言されなかったこともあって、また珠城さんが舞台に立つ姿を見ることができるのかなと思っていました。なので今回、「宝塚歌劇 花組・月組100th anniversary『Greatest Moment』」への出演が決まり、今後も舞台人として活躍してくださることを期待しているのですが。

 やはり15年以上の時間をエンターテインメントに捧げてきて、自分にはこれしかないっていう気持ちが大きかったです。

 その中で出会った方々が、また私が舞台に立つ姿を見たいと、待ってくださっているのであれば、今まで自分が積み上げてきたものを生かして、もう少し頑張ってみようかなと。

 だから需要がなくなったらというか、自分がこの世界ではもう必要とされないなと思ったら、スパッといなくなるかもしれません。もちろん演じることは大好きですが、こういう俳優業というものは、求められたり必要とされるからこそ、というところがあると思うので……。

 これからどうなるかわからないですけれど、自分にまだまだ挑戦してみたいと思うものがあり、ファンの方が退団後も応援したいと思ってくださる気持ちがあって、それが合致しているからこそ踏み出せたというのは大きいかもしれないです。


――『Greatest Moment』への出演を決められたのは?

 最初にも申し上げたのですが、夢から醒めたような不思議な気持ちでいる最中に、出演のお声掛けをいただいたんです。

 まさか退団して、そんなに日も経っていないタイミングで、OG公演に出られるなんて思ってもみなかったですし、錚々たる先輩方が出演されるステージに、自分が一緒に立っていいのかなという不安もあり、正直、出演を決めるまでにはちょっと悩みました。

 でも主催の梅田芸術劇場の方が、私(珠城さん)が、花組・月組が100周年を迎えた年に在団していて、かつOGでもある唯一の人なのでぜひ、と言ってくださって。

 素晴らしいOGの皆さんに比べ、まだまだ未熟であることは変わりないですが、きっと何か新しいことに挑戦できるし、今後の自分にとっても勉強になるんじゃないかと思って、先輩方の皆様の胸をお借りするつもりで、出演を決めました。


「瀬奈さんや霧矢さんと出させていただくなんて、こんなご褒美をいただいていいのかな」

――お稽古の様子はいかがですか。

 久しぶりの方々ばかりで、すごく不思議な感覚です。でも、なぜか久しぶりな感じがしないのは、宝塚特有のものなのかもしれませんね。

 もちろん、今回が初めましての方もいらっしゃいますけれど、それでも家族みたいな雰囲気があって、皆さんすごく温かく迎えてくださって、やっぱり宝塚ってすごくあたたかいところなんだなっていうことを、卒業しても実感できたことが、純粋に嬉しかったです。

――久しぶりに歌ったり踊ったりされてみて、いかがですか?

 1カ月半ぶりだったのですが、その分の汗を流したんじゃないかっていうぐらいの消費量でした。でも、トップになる前だから約5年ぶりくらいだと思いますが、誰かの後ろで踊るっていうこと自体が久しぶりだったんですね。それが、なんだかとても心地よかったです。

 もちろん自分がトップとして中心にいたときも、みんなと振りを合わせることは意識しながら踊っていましたが、それとはまたちょっと違う感覚。

 しかもそれが、自分の大尊敬する先輩で、その方と一緒に踊っている。その感動と興奮とかも含めて、すごく不思議な気持ちになりましたが、でもとっても心地よくて、心強くもあり、何だかとても不思議な時間でした。

 月組で、トップスターとして、その背中を見させていただいていた瀬奈(じゅん)さんや霧矢(大夢)さんと一緒に出させていただく場面もあり、こんなご褒美をいただいていいのかなと思っています。

「何よりも自分が楽しむことを第一に、ちょっと冒険もしていけたら」


――今後、挑戦してみたいことはどんなことですか?

 いつか、ストレートプレイに挑戦してみたいという気持ちはありますね。

 あと、舞台とはかけ離れちゃいますけど、乗馬をやってみたい。在団中は、落馬すると大きな怪我に繋がってしまうということで、禁止されているんですよ。TV番組のロケ企画でも、希望を出したことがあるんですけれど、ほぼ通らなくて。

 もうひとつ、小さい頃からやっていたスキーをもう1回始めたいなと思っています。スキーもまた危険が伴うということで、宝塚を受験すると決めてから止めたんです。それまでは、毎年家族でスキーに行っていました。昔みたいには体が動かないかもしれないですけど、もう一度ゲレンデを滑ってみたいなという気持ちがあります。


――これまでは、男役・珠城りょうとして生きてきたと思うのですが、退団されて、ひとりの女性として、今後こんなふうになっていきたいという理想像はありますか。

 私は在団中から、心の居所として、“本名としての自分”も絶対になくさないようにしたいと思っていました。ただやっぱりトップになってからは、どうしても“男役・珠城りょう”として生きる時間が増えてしまっていたんです。

 でも宝塚を卒業して、“男役”という肩書きが取れたので、珠城りょうと本名の自分を少しずつすり合わせていきたいな、と思っています。とはいえ、比較的いつも自然体でいる人間なので、あんまり変わりはないんですけれど。

 これからは女性として……って、ずっと女性ですけれど(笑)。目標としては、頑張るけれど頑張りすぎず、ということでしょうか。

 もともと私は石橋を叩いて叩いて(笑)、渡る派なんですね。でも、いろんな責任とか、そういうことを気にするばかりじゃなく、たまには思い切って飛び越えて思いつきで行動してみたり、新しいことをやってみたり、ちょっと冒険してみたり。何よりも自分が楽しむということを第一に、挑戦したり、人と出会ったりしたいと思っています。

「どういう姿の私も受け入れてくださるファンの皆さんには本当に感謝しかない」


――あらためて、今、ファンの方々に向けて贈りたい言葉をいただけますか。

 どうしよう……皆さんに伝えたいことがいっぱいある(笑)。

 でも、何て言うか……男役時代から、どういう姿の私も受け入れてくださっていたファンの皆さんには、本当に感謝しかないです。

「男役である前に、珠城りょうっていう人間が好きです」と言ってくださる方がすごく多くて、その言葉に私自身が励まされることも多いです。

 宝塚にいたときから、自分の発する言葉や自分の姿というものが、皆さまの生きる活力になっていたり、皆さまの人生にすごく影響していたりということをとても感じていました。

 幸せなことでもありますが、責任を感じる部分もあります。でもあまり気負いすぎずに、今という時代を、皆さまと一緒に楽しんでいけたらいいなと思っています。

 男役ではなくなりましたが、人としてのスタンスは、きっとあまり変わらないと思うんですよ。皆さまに、自分らしくありながらも、少しでも新しい珠城りょうの姿をお見せしていけたら、と思っています。

シャツ 60,500円、パンツ 60,500円、コート83,600円/エリコカトリ(ムール 03-5787-8911) トレンチコート 72,600円/リト(03-3470-4157) リング、ブーツ/スタイリスト私物

珠城りょう(たまき・りょう)

2008年に宝塚歌劇団に入団し、『ME AND MY GIRL』で初舞台。月組に配属され、入団3年目には、若手の試演公演である新人公演で主役に抜擢される。13年には『月雲の皇子』で、バウホール公演初主演、16年に月組トップスターに就任。入団9年目でのトップスター就任は、宝塚では歴代二番目に早い抜擢となった。翌年の『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』で大劇場公演お披露目公演。その後、『All for One』や『BADDY—悪党は月からやって来る—』などの話題作をはじめ、『雨に唄えば』『エリザベート—愛と死の輪舞』『ON THE TOWN』『I AM FROM AUSTRIA—故郷は甘き調べ—』といった海外ミュージカル作品に数多く主演。今年8月15日に、『桜嵐記』『Dream Chaser』千秋楽をもって退団。来春、東京・大阪にて待望のソロコンサートが決定!

文=望月リサ
撮影=鈴木七絵
動画=松本輝一
ヘアメイク=赤松絵利(ESPER)
スタイリスト=重光愛子(A.K.A.)

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