1日に4万杯が売れたと発表…ダイエット効果? 中国の若者に大人気“アボカドヨーグルト”ヒットの謎
CREA WEB / 2023年10月9日 11時0分
中国ではドリンクショップで飲み物を買うことが生活の一部であり、1杯10-20元(約200円〜400円)程度の比較的手頃な価格で様々な味を楽しめる。各ドリンクショップは常に新商品やコラボ商品で消費者心理を動かし、話題に事欠かない。
今年の春から夏にかけて、中国のドリンクショップでよく見たのが「アボカドヨーグルト」。初見のインパクトがかなり強い、衝撃的なメニューだ。
1月の茉酸奶(MORE YOGURT)や沪上阿姨(AUNTEA JENNY)を皮切りに、5月ごろから喜茶(HEYTEA)、乐乐茶(LELECHA)、奈雪的茶(NAIXUE)、茶百道(ChaPanda)といった大手ドリンクショップで次々と新商品として登場した。

実はいくつかのドリンクショップでは2019年から断続的にアボカドを用いた飲料は発売されていた。しかし2023年1月に茉酸奶が1日約4万杯のアボカドヨーグルトが売れたことを発表したように、ここまで大々的に流行したのは初めてのことだろう。
2023年7月には続々と街でアボカドヨーグルト販売店が増えていたので、各社の流行から新商品開発までのスピードに驚かされた。

そもそも中国では、アボカド自体スーパーで1個6.5元(約130円)前後と日本とそう変わらないような高価格帯で販売されており、野菜が安い中国において特別な扱いである。2017年ごろに「スーパーフード」として認知され食物としてのブームが訪れたとされているが、日本における食生活へのカジュアルな根づき方に比べるとまだまだと言えるだろう。
一方で、中国人の生活においてヨーグルトの存在はかなり大きい。ヨーグルト専門のドリンクショップがいくつも存在するし、スーパーのヨーグルト売り場の大きさは目を見張るものがある。日本で見かけるフルーツのフレーバー以外にもキャラメルや棗、ピーチウーロン……と何とも多種多様なフレーバーが用意されている。

アボカドヨーグルトの突然の流行には、まだ中国社会に根づいているとは言えないアボカドという食材と、すでに馴染み深い食材であるヨーグルトが組み合わさったこと、そして中国の若者の健康志向の高まりが背景にあるのではないだろうか。
各ショップはアボカドの新鮮さやビフィズス菌の個数、ショ糖不使用、自然な味などをアピールしており、健康への訴求を前提にしていることがわかる。
実際に4種類を飲み比べてみた
一時期の流行と比較すると、2023年9月現在、アボカドヨーグルトブームは落ち着いているが、今回北京で飲めるアボカドヨーグルト4種を日本人留学生4人で飲み比べてみた。試したのは茉酸奶(MORE YOGURT)、兰熊鲜奶(BLUE BEAR)、Blueglass、DQ(Dairy Queen)のもの。

1. 「MORE YOGURT」の「オリジナルアボカドヨーグルトシェーク」 31元(約630円)

まずは茉酸奶の「オリジナルアボカドヨーグルトシェーク」。31元(約630円)。
2014年上海発のヨーグルト専門店で、2023年2月ごろから北京にも進出。200以上の都市に1,000店舗以上の展開を誇る。北京出店当初は2時間待ちが発生した。現在もカウンター前に常に人の姿がある。
中国のアボカドヨーグルトブームを引っ張る存在となっただけあり、飲み比べに参加したメンバーの中でも一番人気の味だった。アボカドを1個まるごと贅沢に使っており、塊でゴロゴロと入ったアボカドは味の主張がしっかりしている。またアボカドの品質にこだわっていることをアピールしているだけあって、口の中でとろけるクリーミーな食感だ。
ヨーグルトというよりはクリームチーズのような濃厚なシェークとアボカドがマッチし、人気なのもうなずける味だった。
2. 兰熊鲜奶の「クラッシュアボカドヨーグルト」 30元(約610円)

続いて兰熊鲜奶の「クラッシュアボカドヨーグルト」。30元(約610円)。
2018年北京発のドリンクショップで、牛乳を用いたドリンクで有名だ。北京を中心に100店舗以上を展開している。
ここのアボカドヨーグルトは、かなり甘めの仕上がり。その日に採れた生乳を売りにしているためか、ヨーグルトは牛乳の味がしっかり感じられる。ヨーグルトは固形感はなく、サラサラとしたテクスチャーだ。アボカドは塊部分もあるが主張が強くなく、かなり飲みやすい味だった。
3. Blueglassの「アボカドココナッツオーツ麦粒ヨーグルト」 42元(約860円)
Blueglassは2012年北京発のヨーグルト専門店。SNS映えを意識したブランディングで有名で、2年ほど前から人気のチェーン店だ。
硬めのテクスチャーで酸味が強いヨーグルトが美味しい。ココナッツがよくマッチしていて、層ごとに味の変化があるのも楽しい。しかしアボカドの存在感はかなり薄く、それよりも底にある「オーツ麦粒」が気になってしょうがない。薄皮に包まれた粒を噛むと紅茶風味のシロップとオーツ麦が現れるのだが、初めて食べた味に一同驚いた。
量も600ミリリットルと多く、置き換えダイエットでの利用を前提としているのでボリュームが一番ある一杯だった。
4. DQの「アボカドヨーグルトシェーク」 33.9元(約690円)

最後にDQの「アボカドヨーグルトシェーク」。33.9元(約690円)。
アメリカ発のアイスクリームチェーンで、1992年より中国で展開。アイス店の商品だからか、甘くて美味しいシェークという印象。ヨーグルトの酸味はほぼ感じなかった上、アボカドの味もほとんどしなかった。
比較的高価でも流行った、意外なワケ
飲み比べたところ、意外にもどのようにヨーグルト部分の味を表現するかではっきりと特徴が異なったのが面白かった。アボカドも商品によっては全く主張しない。アボカドとヨーグルトは一見するとびっくりするような組み合わせだが、口にしてみると美味しく、飲みやすい。
価格帯はティードリンクが通常10元台(約200円)で買えることを考えると、外食一食分に負けず劣らずの値段で、かなり高級路線だ。しかしお腹にたまる量であったことを考えると、食事として購入する人も多いのであろう。
ただし、アボカドを使っていることとしっかり甘いことから想像がつくように、飲み過ぎて太ったという声もあり、健康志向ではあれどダイエットに効果があるわけではないようだ。これが原因なのかブームは緩やかに下降中で、今後は愛される味だけが残っていく形になりそうだ。
今回飲み比べるにあたって他の食材が入ったものをなるべく避けたが、アボカドヨーグルトをさらにイチゴ、バナナ、キウイ、アーモンドなどと組み合わせている商品も観測した。
手軽に栄養が取れるアボカドヨーグルト、中国に遊びに行く際に試してみてはいかがだろうか。
文・写真=Ricai
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