「次の選考委員は町田康? 角田光代?」石原慎太郎辞任で芥川賞はどう変わるか?

日刊サイゾー / 2012年2月5日 8時0分

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 第146回芥川賞が先日発表されたのはご存じの通り。発表前には候補者に「話題性の高い作家がいない」ことなどから、地味な受賞になるのではとの声もあった。が、一転、歴史的大騒ぎの芥川賞となったのだ。もちろんその立役者は田中慎弥。地味な風貌の田中だが、受賞決定後の不機嫌会見&石原慎太郎"東京都知事閣下"への宣戦布告ともいうべき発言で、ワイドショーなどでも大きく取り上げられる事態となった。

 さらにこれを受けて、当の石原都知事は「芥川賞選考委員を辞める」との辞意を表明したのだ。

「ただ石原さんはこれまで何度も辞める、辞めると狼少年のように繰り返していたから、当初は今回もブラフだと思われていました」(文芸評論家)

 しかし騒動は拡大。本当に辞任を正式に表明した。

「彼のプライドもありますが、騒動が大きくなったため、結局は引くに引けなくなり、辞任に追い込まれたのでしょう」(前同)

 その後も文藝春秋には芥川賞受賞作家2人宛てにプラスチックケースに入った「黒い粉」が送りつけられ、またまた騒動に。さらに封筒には「赤報隊」と記されていたことからも騒動は拡大したが、今のところ悪質ないたずらとの見方が強い。

 そこで問題になっているのが、「今後の芥川賞選考委員」だ。2011年には池澤夏樹が主催者側の慰留にもかかわらず委員を辞任、さらに同年末には黒井千次も今回の選考会をもって辞任することを表明していた。さらにイレギュラー的に石原慎太郎が辞任したことで、芥川賞選考委員は、短期間に小川洋子、川上弘美、高樹のぶ子、山田詠美、島田雅彦、宮本輝、村上龍の7人と少人数なってしまったのだ。

「通常、芥川賞選考委員は10人前後の要員でしたので、今後早急に補充が必要だと主催者サイドは考えているようです」(前同)

 そのため石原辞任表明直後から、次期選考員候補の名前が文芸関係者の間で取り沙汰されているのだ。

「有力なのが町田康、多和田葉子という2人の芥川賞作家と、そして角田光代といわれています。角田は直木賞作家ですが、それ以前には何度か芥川賞にノミネートされたこともある。直木賞作家の山田詠美が芥川賞選考委員になった前例もありますから、可能性はあるでしょう。そして、もしこれが実現すれば男4人vs 女6人と女性が多くなる。これは芥川賞史上初めてのことになるのです」(文芸編集者)

 そうなると、文壇においても女性の発言力はさらに大きくなり、中でも芥川賞の山田詠美と直木賞の林真理子という"2大女帝時代"の到来か!! との声も出てきそう。ともあれ今後の選考委員人事という事態にまで発展させた新キャラが登場した今回の芥川賞。田中氏の受賞作『共喰い』(集英社)の売れ行きも早くも10万部と突破と順調だとか。同じく、破天荒な芥川賞受賞作家としてそのキャラが注目され、結局は大手芸能プロダクション・ワタナベエンターテインメントに所属し、テレビでも活躍中の西村賢太と同様、人前で話すのが嫌いな田中氏にも、芸能事務所からのオファーも舞い込んでいるとの情報もあるらしい(笑)。
(文=神林広恵)




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