オダジョー主演『家族のうた』はなぜコケた? 春ドラマ徹底検証(後編)

日刊サイゾー / 2012年5月6日 8時0分

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 4月2日に放送開始した『梅ちゃん先生』(NHK総合)から、4月26日スタートの『Wの悲劇』まで、約30作品が出揃った春の連続ドラマ。

 初回レビュー 前編
で触れた通り、今クールの特徴はなんといっても「刑事ドラマ」と「ジャニーズ主演ドラマ」の多さ。この後編では、4月15日以降に初回を放送した作品を中心に、話題のドラマをピックアップしていきたい。


■中居くん、大野くん、相葉くん、草なぎくん、錦戸くん......視聴率上位はジャニーズ祭り

 まず、4月クール全作品の初回平均視聴率のトップ10は以下の通り(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

1位『梅ちゃん先生』(NHK総合)20.5%
2位『ATARU』(TBS系)19.9%
3位『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系)18.3%
4位『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ系)15.9%
5位『新・おみやさん』(テレビ朝日系)14.1%
6位『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』(フジテレビ系)13.2%
7位『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)12.2%
8位『パパドル!』(TBS系)11.6%
9位『Answer~警視庁検証捜査官』(テレビ朝日系)11.4%
10位『Wの悲劇』(テレビ朝日系)10.9%

 SMAPが主題歌を歌う連続テレビ小説『梅ちゃん先生』以下、ジャニーズ主演作品が、中居正広主演『ATARU』、大野智主演『鍵のかかった部屋』をはじめ5作品。SMAPがまだまだ現役であり、嵐、関ジャニ∞が"主演クラス当たり前"のポジションに鎮座していることで、ジャニーズがいかに芸能界を牽引しているか、改めて突き付けられるランキングとなった。

 ただ、『ATARU』『鍵のかかった部屋』ともに、第2回放送分では16%台までガクンと下落。『三毛猫ホームズの推理』にいたっては12.1%まで落ち込んでおり、作品としての評価はこれからが勝負といえるだろう。

 関ジャニ∞・錦戸亮が本人役で主演する『パパドル!』は、1987年にヒットした中山美穂主演『ママはアイドル!』(TBS系)のリメーク。『ママはアイドル!』では、旦那(三田村邦彦)の連れ子役の後藤久美子による、継母(中山)へ向けられる表情が凍りつくほど冷たく美しく、それがドラマのキモであり、最大の魅力でもあった。そういった観点からすると『パパドル!』の今後は、長女役の川島海荷の"冷たい演技"が握っているといっても過言ではないかもしれない。

 余談だが、『ママはアイドル!』で長男役だった永瀬正敏は、劇中では小泉今日子のファンという設定。「実際に結婚(&離婚)しちゃった永瀬ってすごいよなあ」「みぽりんもゴクミも、いまや日本にいねえなあ」なんてことに思いをはせながら、「ってことは、錦戸くんも鬼束ちひろあたりに『やっと逢えたね』とか言われて、海外に移住しちゃうのかなあ......」などと妄想をリンクさせながら楽しんでみるのもオツではないだろうか。


■3%台にトホホ......オダジョー主演『家族のうた』の視聴率不振を真面目に考える

 日曜21時という好条件にも関わらず、初回6.1%、第2回3.6%とあんまりな視聴率に頭を抱えるオダギリジョー主演『家族のうた』(フジテレビ系)。先日、フジテレビの豊田皓社長が定例会見の発言で、早速"てこ入れ"の可能性を示唆するなど、いろんな意味で注目を浴びてしまっている。

 視聴率不振の原因について、「日曜夜のホームドラマにオダジョーは不似合い」「オダジョー演じる往年のロックミュージシャン像が、子どもと年配者には理解できないのでは?」「キャストを見ると、オダギリジョー、ユースケ・サンタマリア、ムロツヨシ、トータス松本......これはカタカナの呪いだ!」などさまざまな見解が挙がっているが、裏番組に『ATARU』、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)、『日曜洋画劇場』(テレビ朝日系)と人気番組が多い点は、一つの原因と考えられそうだ。

 個人的には、いつまでもキース・リチャーズに憧れる一人の切ないロックミュージシャンと子どもたちによるドタバタ劇は、見ていて気持ちよく、作品として多くの人が見るに値するのでは? と感じているため、オダジョーがこれに懲りて「俺はやっぱテレビより映画の器だな」などと大衆メディアに見切りを付けないでほしいと願うばかりだ。


■福田沙紀のメンタルが心配......オスカー総出演『Wの悲劇』

 今期の評判を見ていると、必ず話題に挙がるのが堺雅人と新垣結衣による一話完結の弁護士ドラマ『リーガル・ハイ』。視聴者満足度という観点からはダントツ1位ではないかというほど、「今期一番面白いのは、間違いなく『リーガル・ハイ』!」「堺雅人とガッキーのやりとりが超最高!!」などと熱く語る人が後を絶たず、ネットなどの評判だけ見ていると視聴率70%はいってもおかしくないくらいの印象なのだが、実際は12%台。ハマる人にはドンハマりする作品のようだ。

 武井咲が二役を演じるサスペンスドラマ『Wの悲劇』は、武井のほか同じオスカープロモーション所属の福田沙紀、剛力彩芽、森田彩華らが出演。彼女たちは同じショーパブで働くダンサー役だが、一番先輩の福田沙紀を差し置いて、一番人気の剛力彩芽、ダンサーではないもののオーナーにかわいがられている武井咲......と、どうしても現在のオスカー内の勢力図を見せられている感覚に陥り、福田の心中を思うと涙なしでは見られない。

 とくに、劇中で大手プロダクションから声がかかっている剛力に、声のかからない福田がダンスを教えるシーン。後輩やオーナーが「それにしても綺羅々(福田)さんどんな心境よ」「ね、自分のほうがずっと先輩なのに」「この世界は実力。綺羅々だって分かってるわ」とコソコソ話すシーンは、もはや意図的としか思えない。

 しかも福田が演じるのは、嫉妬心から武井をイジメる役であり、初回では武井の顔を何度も便器に押し込んでいた。2007年の北乃きい主演ドラマ『ライフ』(フジテレビ系)で、イジメグループのリーダーを演じたことで若い視聴者から反感を買い、それをきっかけに突っ張った性格へねじ曲がってしまったとウワサされる福田。今回も精神的に耐えられるか、老婆心ながら心配どころである。

 ほかにも、渦中の小林幸子がPTA会長役を演じる『七人の敵がいる!』(フジテレビ系)、和久井映見演じる妻が突然のくも膜下出血により、夫(竹野内豊)に出会う前の記憶まで戻ってしまうという、都合がいいにもほどがある設定で楽しくお送りする『もう一度君に、プロポーズ』(TBS系)など、バラエティに富んだラインナップが揃う春ドラマ。各テレビ局のサイトでは、過去放送分の有料配信なども行っているので、追いつくにはまだ遅くないぞ。
(文=林タモツ)

※画像はフジテレビ『家族のうた』公式サイトより


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