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「食べていけるのはごく一握り」名ドラマーの悲報とベテラン音楽家の嘆き

日刊サイゾー / 2012年10月10日 8時0分

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 1998年に解散したブルースバンド憂歌団のドラマー、島田和夫さんが2日未明に自宅前で死去したと報道された。自宅で「もう生きていけない」とのメモが発見されたとして、兵庫県警生田署は自殺の可能性を指摘している。

「憂歌団は関西ブルースシーンを代表するバンドで、島田さんも名ドラマーとして人気の高い方でした。解散後も多くのプロジェクトやコンサートに呼ばれて演奏するなど、同世代のバンドマンの中では群を抜いて活躍していた。仮に自殺であったとしても、音楽活動の行き詰まりが原因とは考えにくい。もしそうなら、中高年のバンドマンのほとんどは厳しい状態ということになる」(ライブハウス関係者)

 島田さんの悲報は、同業者にも衝撃を与えている。多くの中高年のミュージシャンが置かれている経済的な苦境が連想されたからだ。有名バンドの元メンバーであっても、スタジオミュージシャンなどで"食べていける"のはごく一握り。そう語るのは、あるベテランギタリストである。

「今の音楽界ではスタジオミュージシャンのギャラの水準が下がり続けていて、一部の大御所を除けばアルバイト的な金額しか出ない。人気バンドの全国ツアーに帯同すると多少まとまった金額が出るが、その間は細かい仕事ができないから、次の仕事が来なくなるリスクもある。いちばん安定しているのは音楽スクールの講師だが、最近は大御所クラスまでやりたがっているから、なかなか席が空かない。音楽では食っていけないと見切りをつけ、まったく違う仕事に転職した仲間も多いね」

 実際、一時代を築いた人気バンドのメンバーが、意外な職業に転じたケースは少なくない。建築業に転職した有名バンドRのベーシストや、バーテンダーとなった元カリスマシンガーSなどだ。

「アメリカでは、中高年向けのコンサート市場が充実しているため、ベテランのバンドマンも演奏活動をして食べていくことができます。日本でも、元アイドルグループなどはディナーショーや地方自治体主催のコンサートで稼ぐことができますが、ロックやポップス系はイベント出演などがメインで、ライブハウスでやっても集客は弱い。今後は中高年向けに配慮した、イス付きのライブ会場などの整備が求められるでしょう」(前出のライブハウス関係者)

 いまやロックやポップスを聴いて育った世代も、50~60代に差し掛かっている。往年の名ミュージシャンを盛り立てるためにも、中規模コンサート会場の充実や、チケット販売の多様化が望まれる。
(文=島未知也)

※画像は『究極のベスト! 憂歌団』(ワーナーミュージック・ジャパン)


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