「一般コミックでも大丈夫......じゃなかった!」不健全図書指定された『ぽちとご主人様』の顛末

日刊サイゾー / 2012年10月11日 8時0分

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「大丈夫!アスキー・メディアワークスの一般コミックだよ!」

 8月、都内の書店で販売されたある単行本に、こんなPOPがつけられていた。POPが意味するのは、出版社側が18歳未満への販売を自主規制する「成年コミックマーク」をつけていない=すなわち小学生でも購入できるということだ。

 その単行本が、綾乃れな著『ぽちとご主人様』(アスキー・メディアワークス)だ。書店のPOPは「大丈夫!」と銘打っていたにもかかわらず、東京都は、9月の東京都青少年健全育成審議会に、この本を提出。参加した委員から「指定やむなし」という多数意見を得て、不健全図書に指定された。

 この作品は、SkyFish pocoが発行する同名の美少女ゲームをコミカライズしたもので、アスキー・メディアワークスが発行する雑誌「電撃HIME」などに連載されていた。ドエスな主人公と幼なじみが互いの親の婚約によって兄妹になってしまうが、幼なじみは主人公のペットになることを提案するという物語だ。

 東京都青少年課は、この単行本を不健全図書の候補として審議会に挙げた理由を次のように語る。

「従来の基準に従って、精液や擬音から卑わい性があると判断しました」(都青少年課の佐藤久光課長)

 審議会の前に自主規制団体から意見を聞く、諮問候補図書に関する打ち合わせ会では(昨年改定施行された条例で追加された指定基準である)近親相姦描写についても、規制に該当するという意見が出たが、都側は「あくまで新基準は従来の基準では指定対象にならない場合に用いるもの」として、採用しなかった。都は、あくまで問題なのは作品中の描写の「卑わい性」だというわけだ。

 そもそも「卑わい性」とは、非常に曖昧な概念である。資料によれば、この作品は、条例を運用するために定めている施行規則に記された基準のうち、第15条第1項第一号イ・ロの部分に該当しているとされる。その基準は、次のようなものである。

「イ 全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。

ロ 性的行為を露骨に描写し、又は表現することにより、卑猥な感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること」

 この基準も「一体どこまで描写したらアウトなのか」判然としない、極めて曖昧なものだ。となると、恣意的に決めているのではないかという疑念が湧くが、少なくとも今回に限っては反論が難しい。というのも、この作品が連載されていた「電撃HIME」が、表紙に成年向けマークを表示した雑誌だからだ。

日刊サイゾー

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