企業PRの駅伝重視体質は相変わらず......実業団の選手がマラソンで勝てない理由とは

日刊サイゾー / 2012年3月17日 8時0分

 毎回選考過程をめぐって賛否両論が巻き起こる男女マラソンの五輪代表だが、日本陸上競技連盟は12日、東京都内で理事会を開きマラソンのロンドン五輪代表を発表。男子は藤原新(東京陸協)、山本亮(佐川急便)、中本健太郎(安川電機)、補欠に堀端宏行(旭化成)、女子は重友梨佐(天満屋)、木崎良子(ダイハツ)、尾崎好美(第一生命)、補欠に赤羽有紀子(ホクレン)が選ばれた。

 代表選手はいずれも初出場だが、中でも最も注目を浴びているのが定収入がない無所属で練習を重ね、先に行われた東京マラソンで2時間7分48秒の好記録で2位となった"無職ランナー"こと藤原、そして、実業団には所属せず公務員ランナーとして注目されながら惜しくも落選した川内優輝(埼玉県庁)だった。

「各スポーツ紙やテレビ各局の情報番組は藤原を大々的に扱い、フジテレビは女子マラソンを中継するにもかかわらず、発表翌日の朝から藤原を各番組に出演させ、富山在住の医師である藤原の妻の元にも取材が殺到。一方、川内の勤務先には選ばれた場合に備え、かなりの数の報道陣が待機していた。落選会見は仕事の都合でわずか10分程度だったが、翌日は藤原に次ぐ扱いで、各局に出演するコメンテーターは『川内さんに出てほしかった』と残念がっていた。藤原と川内は実業団に所属しない、いわば"市民ランナー"同士で東京マラソンでは代表の座を争ったこともあり、メディアを通して互いに『一緒に練習したい』と共闘を呼びかけていたのがさわやかだった」(スポーツ紙デスク)

 かつて数々の金字塔を打ち立てた瀬古利彦はヱスビー食品に所属、男子マラソンの日本最高記録2時間6分16秒を保持する高岡寿成はカネボウに所属、五輪2大会連続メダルを獲得した有森裕子はリクルート所属、シドニー五輪で金メダルを獲得した高橋尚子は積水化学所属。現在もメジャーな各マラソン大会の上位は実業団の選手が占めるなど、日本のマラソン界はこれまで実業団がリードしていた。そこに大きな風穴を開けたのが"市民ランナー"の藤原&川内で、判官びいきの日本人の心を一気にわしづかみにしたが、実業団選手のマラソン挑戦はそろそろ頭打ち状態になってしまっているようだ。

「東京マラソン終了後、日本陸連男子マラソンの坂口泰部長は『(藤原と川内の)2人は従来の形にとらわれない考えを持っている。実業団の選手も新たな考え方を取り入れていく必要がある』と異例のコメント。そもそも、実業団の陸上部は企業のPRが最優先なので、マラソンよりも毎年正月に行われている『ニューイヤー駅伝』など駅伝を重視する。駅伝で結果を出せないと陸上部が廃部になってしまうので、必然的にそうなるが、駅伝は1区間が長くても20キロ程度。そのため、スピード重視の練習がメインとなり、藤原や川内のようにマラソンに特化した練習をしている選手にタイムで負けるのは当たり前のこと。箱根駅伝で活躍した選手がマラソンで大成できないのも仕方ない環境だということは実業団の監督もわかっていて、有力選手はマラソンに専念させたいが、企業としてはそういう有力選手は"広告塔"として駅伝に出したい。この体質が変わらない限り、五輪や世界選手権でのメダル獲得は難しいだろう」(陸上専門誌ライター)

 藤原は芸能人にも大人気のボディメイクトレーナー・樫木裕実のカーヴィーダンスをトレーニングに取り入れるなど私財を投じ、川内は親元に住みながら出勤前の2時間のトレーニングや自宅で筋トレに励むなどマラソンで勝つために創意工夫を重ねているだけに、今後も2人のようなマラソンで勝つことだけを目標とした"市民ランナー"が続々と台頭しそうだ。


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