小島慶子の幻影を振り払う、赤江珠緒の「うっかり道」『たまむすび』

日刊サイゾー / 2012年11月30日 13時0分

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しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。

 どこの世界においても前任者の残したイメージというのは非常に厄介なもので、後を継ぐ人間は、同じ路線を歩くのか、まったく別の路線を切り拓くのか、という厳しい選択を迫られることになる。しかも受け手はわがままなもので、常にその両方を望んでいる。ラジオの世界において、近年もっともそんな厳しい状況からスタートしたのが、『たまむすび』(TBSラジオ 月~金曜13:00~15:30)という番組だろう。

 『たまむすび』は2012年4月、『小島慶子 キラ☆キラ』の枠を引き継ぐ形でスタートした。無論まったくの別番組なのだから、「前任者」という言い方はふさわしくないのかもしれない。しかし『たまむすび』開始当初、聴き手が明らかに「小島慶子的なもの」を求めていたという意味では、小島は前任者以上の存在だった。

 番組は月~木曜を『モーニングバード!』(テレビ朝日系)でおなじみのフリーアナウンサー赤江珠緒が、金曜をTBSアナウンサーの小林悠がパーソナリティーを務め、曜日ごとに変わるパートナーとの2人体制で進めていく形をとっているが、パートナーのうち月曜担当のビビる大木と木曜担当のピエール瀧は『キラ☆キラ』から引き継いだ形であるため、『たまむすび』は“『キラ☆キラ』の後継番組”というイメージが余計に強くなってしまった。

 番組開始直後、いち早く小島の幻影から抜け出したのは、皮肉にも金曜の小林悠×玉袋筋太郎コンビのほうで、「スナックママ×スナックの常連客」という初期設定が意外にも見事にハマり、初回から『キラ☆キラ』とはまったく別のベクトルを打ち出すことに成功した。

 一方で月~木曜の赤江のほうは、「何事に対しても小島的な強い自己主張を求められているのに、その期待にうまく応えられない」という状況に陥っていた。実際、赤江のリアクションには、「へぇ~」「ふ~ん」「なるほど」といった相槌の言葉が多く、その先の感想や主張が特に出てこないという場面が続いた。

 ただ、ここで改めて考えなければいけないのは、「じゃあ自己主張があればいいのか?」という問題である。そしてその先には、「小島は本当にそんなに最高だったのか?」という問題が横たわっている。そもそも受け手の期待がお門違いだったという可能性だって、充分にあるのではないか?

日刊サイゾー

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