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楽屋オチを吹き飛ばす、ネガティブ若様ご乱心の新境地『オードリーのオールナイトニッポン』

日刊サイゾー / 2012年12月14日 11時0分

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しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。

 芸人はまずネタで世に出て、キャラで認知され、フリートークでようやく本当に売れる。いまお笑い界はほぼそのワンパターンなサイクルで回っているが、意外と3段目の話術のハードルが高いというのは、近年のコンテスト決勝進出者の「その後」を見れば明らかだろう。『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送 土曜深夜1:00~3:00)は、2009年10月、前年末の『M-1グランプリ』準優勝の勢い冷めやらぬ中、およそ理想的と思われるタイミングでスタートした。

 それは大きなチャンスであると同時に、フリートークの実力を試される高いハードルでもあった。オードリーの場合、ネタの中に春日という強烈な個性が存在していたため、ネタとキャラがセットで(というか、ネタの中でキャラが)ブレイクし、1・2段目のハードルは一気に飛び越えた感があった。しかし、2人のしゃべりを基盤とするラジオという場、しかも毎週2時間という長丁場では、ネタという緻密な構築物を連発し続けることもできず、春日というキャラクターのゴリ押しも飽きられる危険性が高い。結果、ネタでもキャラでもなく、「何をしゃべるか」という勝負になる。

 だが正直、番組開始当初のオードリーの勢いであれば、何をしゃべってもよかったのだと思う。その時点で注目を集めている人たちが楽しそうに話していれば、ファンは無条件でついてくる。ファンの数が多ければ、それで十分に通用する。実際、『オードリーのANN』は異様に楽屋オチ的な内輪話の多い番組で、売れない頃に劇場で共演していたショーパブ芸人たちの話が、毎週のように繰り出されていた。「バーモント秀樹」や「ビトタケシ」といったモノマネ芸人の名前が当然のように連呼され、彼らの話をするとき、オードリーの2人はいつも爆笑している。個人的にはその状況に「置いてけぼり感」を感じることが多かったが、内輪話が多いのは『ANN』の伝統でもある。とんねるずもビートたけしも内輪話は多かったし、それが面白かった。

 では、彼らレジェンドの内輪話とオードリーの内輪話では何が違うのか? 単純にいってしまえばスケール感と豪快さで、前者の内輪話は「遊びは芸の肥やし」といわれていた世代ならではの、破天荒な言動を前提として成立していた。たけしやとんねるずは毎日のように夜の街に繰り出し、種々多様な人に出会い、いつも何かに巻き込まれていた。自らがそんな渦の中心にいつもいるから、彼らの話には当事者ならではの臨場感があって、リスナーをグイグイ引き込んでいく力があった。しかし、今の芸人にそういうタイプは少ないし、そもそもそんな時代でもない。

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