何が本当の「まとも」なのか――『まほろ駅前番外地』で起こる小さな奇跡

日刊サイゾー / 2013年1月23日 13時0分

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「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。

 映画『モテキ』の大ヒットを挟み、約2年半ぶりとなる連続ドラマのメガホンを取ることになった大根仁。その最新作に彼が選んだのは“深夜ドラマ番長”という異名の通り、テレビ東京の深夜という“辺境の地”だった。それが1月12日からスタートした『まほろ駅前番外地』だ。

 舞台は、「まほろ」という、都会でも田舎でもない架空の街(町田がモデル)。便利屋を営んでいる多田(瑛太)と、そこに転がり込んできた行天(松田龍平)が主人公の、いわゆるバディ物だ。

 第1話の冒頭では、2人がまほろ市内を車で走っているシーンから始まる。カーラジオからは、まほろのローカルラジオ番組が流れている。

「さて、続いてのリクエストは、まほろ駅前の便利屋さんから。えぇ? 便利屋さん!? ホントにあるんだね、便利屋さんって。『僕はまほろの駅前にある便利屋で働いてますが、社長がヒドい人間で、もう1年以上働いているのに、ろくに給料を払ってくれません。だから住む部屋もなく、便利屋で社長と2人で暮らしています』」

 それを困惑の表情で聴き、怪訝そうに行天をにらむ多田と、ちょっとふざけた無表情で聴く行天。2人の関係性が、その1シーンだけでわかってしまう。

「『そんな僕にも幸せが訪れるんでしょうか? 教えてください』。うーーん、知らない! ゴメン! アハハハ。そんな便利屋さんのリクエストは『特にありません。音楽は聴きません』。ないんかい! もういいよ、俺が選ぶよ! フラワーカンパニーズで『ビューティフルドリーマー』」

 そしてそのまま、このドラマのオープニングテーマ『ビューティフルドリーマー』が流れ、一気に見る者の心がわしづかみにされてしまうのだ。ちなみにそのOPのタイトルバックは、町を歩く2人の周りで、逆再生のように人々が動いているという、あらかじめ決められた恋人たちへによる「Back」のPVのパロディというか、オマージュというか、完コピ。監督も、そのPVを撮った柴田剛が務めている。

 原作は三浦しをん。第1作の『まほろ駅前多田便利軒』(文藝春秋)は、大森立嗣の脚本・監督で映画化。そして第2作となる『まほろ駅前番外地』(同)は、同じキャストで監督を大根仁に代えて連続ドラマ化されるという、少し変わった成り立ちをしている。

日刊サイゾー

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