「報道でもやるのか」関西テレビ映像偽装問題が浮き彫りにする“ニュース番組の死”

日刊サイゾー / 2013年3月14日 11時0分

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 人気情報バラエティ番組『発掘!あるある大事典』(2007年終了)での実験データ・証言ねつ造が大きな社会問題になった関西テレビで、またしても映像を偽装する事件が起こった。

 夕方の報道番組『スーパーニュースアンカー』で、匿名インタビューの対象者が撮影を拒んだため、スタッフの背中を撮影し、その映像にモザイクをかけて放送したのだという。

 関西テレビは「あくまで告発者を守るためで、告発情報などの事実をねつ造したとは言い切れない」「報道そのものに一切の偽りはない」としながらも、「不適切な映像だった」などとして再発防止に努めるコメントを発表している。

 関西テレビでは07年に『あるある』のデータ捏造が発覚し、番組が打ち切り。日本民間放送連盟から除名処分を受け、『私たちは何を間違えたのか 検証・発掘!あるある大事典』なる検証番組まで放送していた。

「『あるある』ではデータのねつ造だけでなく、外国人の専門家のコメント映像に、実際には言っていない内容の日本語吹き替えをかぶせて放送するなど、今回の件と似たようなケースも明らかになっている。これでは『関西テレビは何も反省していない』と指弾されても仕方がない。しかも『あるある』はあくまでバラエティ番組の枠内だが、今回の件は報道局の看板でもある夕方のニュース番組で起こっている。報道でもやるのか、って……問題はより深刻ですよ」(芸能誌記者)

 今回の件のような、ねつ造ともとられかねない“演出”は、実際のニュース番組の現場ではどれくらい行われているのだろうか? 在京の制作会社でニュース番組を制作しているスタッフに聞いた。

「取材コメントなどを番組の意図に沿うようにカットしてつなぎ合わせたりということは、放送時間の関係上、仕方がないと思っている。そのほかでいえば、例えば、裁判のニュースがあった際に、その日に撮影したものではない裁判所の“実景素材”を使ったりすることはある。今回の件は明らかに“やりすぎ”だが、モザイクをかけて音声を処理してしまえば現場にいた人間さえ黙っていれば絶対にバレないので、関わる人間の意識ひとつで、こうした問題はいくらでも起こり得ると思う」

 また、こうしたニュース番組の現場の空気には、やはり昨今の視聴率低下が影響しているのだという。

「報道とはいえ、スポンサーが入る限り視聴率を求められる。特に、帯のニュース番組は一度視聴者を掴むと離れにくい傾向があるので、中にはバラエティのディレクターを引っ張ってきて“見やすい演出”に力を入れている番組もある。重要な情報でも、分かりにくければ簡単にカットされる。真面目な記者連中は“これはニュース番組の死だ”と嘆いていますよ」(同)

 このままテレビ離れが進めば、さらに事態は深刻化することになりそうだ。


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