大和田伸也が65歳初監督 故郷・福井を舞台にしたヒューマンドラマ『恐竜を掘ろう』

日刊サイゾー / 2013年3月30日 16時0分

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 毎週新作映画を紹介する当コーナーでは今回、劇場公開こそ小規模だが、予算などさまざまな制約の中、アイデアと工夫によってユニークな作品に仕上がった2本を取り上げたい(いずれも3月30日公開)。

 1本目の『恐竜を掘ろう』は、松方弘樹が珍しく穏やかで少しさびしげな役で主演し、内山理名、鈴木砂羽、ガッツ石松らが共演したヒューマンドラマ。福井市で美術店を営む草介(松方)は、経済的に成功し、仲間と夜な夜な飲み歩く日々を過ごしながらも、空虚な思いを抱えていた。ある日、いつもショーウィンドウ越しに店をのぞいていた少女(小野花梨)から手紙を受け取った草介は、気になって少女の家を訪問。だが、数日前から行く先を告げず家を出ていた少女はその頃、恐竜の卵の化石を発掘することが夢だと語る青年(入江甚儀)に出会っていた。

 福井県敦賀市出身の俳優・大和田伸也が故郷の福井を舞台に撮り上げた初監督作品。松方弘樹がにわか探偵になって少ない手がかりで少女の家を探し当てたり、スナックで働く顔見知りの若い女性(内山理名)の車にこっそり乗り込んで自宅を突き止めたりと、見方によってはかなり危ない行動をとるが、テレビのバラエティ番組でおなじみの「オジサンのかわいらしさ」でなんとなく納得させられてしまう。ユーモラスなタッチとヒューマンなストーリー展開が十分になじんでいないところもあるものの、ある種のぎこちなさ、初々しさも味わいではある。山奥に突如出現する巨大な「ハコモノ」の恐竜博物館や、夜ごとスナックに通う男たちがろくに働いていない(ように見える)描写に、原発立地の事情がそれとなく伝わってくるが、現実を見据えた上で内なる希望を「掘り起こそう」という監督からのポジティブなメッセージととらえたい。

 もう1本の『UFO 侵略』は、英国発の低予算SFアクションながら、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが重要な役どころで格闘アクションも披露した注目作。ある朝マイケルは、出会ったばかりの恋人キャリーや同居人たちと目覚めると、町一帯で停電が発生し、携帯電話もつながらない。住民らの騒然とした様子に気づいて外に出た彼らは、上空を覆う巨大なUFOを目撃。マイケルたちは車を走らせ、宇宙人の襲来を予見し長年準備してきたせいで変人扱いされていた元特殊部隊兵士の叔父ジョージ(バン=ダム)に助けを求める。

 マイケル役にピアース・ブロスナンの息子ショーン・ブロスナン、キャリー役にバン=ダムの娘ビアンカ・ブリーと、二世俳優の共演でも注目。特にビアンカ・ブリーは、端正な顔立ちとグラマラスな肢体に似合わずハードなアクションで「父娘対決」も熱演しており、今後の活躍に期待したいところ。おそらくは予算の都合上で、バン=ダムの出演シーンの多くを別撮りして編集でつないでいるのがバレバレだが、むしろ開き直ったかのような構成が潔い。宇宙船などの視覚効果も「今どきこんな……」とあきれるほどチープだが、そうしたツッコミどころも含め広い心で楽しめるB級SFのファンにおすすめだ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)


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