ビートたけしが振り返る、“しずちゃんのボクシング師匠”故・梅津正彦氏の素顔

日刊サイゾー / 2013年8月7日 13時0分

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芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 先日、久しぶりにビートたけしと銀座で食事して、7月23日に悪性黒色腫で44歳の若さで亡くなった、ボクシングコーチでアクションディレクターの梅津正彦さんとの秘話を聞かされて、感動した。

 梅津さんは、南海キャンディーズの“しずちゃん”こと、女子ボクシングの山崎静代選手の専属コーチとして知られているが、このほかに、ジャニーズの山下智久や亀梨和也、それに高橋克典らにボクシングを教えていた。その梅津さんが芸能界と深い関わりを持つようになったのは、1996年に公開された北野武監督の6作目作品『キッズ・リターン』だった。この作品で、主演の安藤正信や金子賢らにボクシング指導したのが、梅津さんだったのだ。

 『キッズ・リターン』に出演したたけしの弟子のお宮の松は、それ以来、梅津さんと親しく付き合っていたという。2012年1月27日に、太ももにできた腫瘍に悪性の疑いがあると宣告された梅津さんは、お宮の松に「北野監督はオレを芸能界に入れてくれた人。心配かけたくないから、監督には病気のことは絶対言わないでくれ」と口止めしたという。さらに、亡くなる前日も、「監督には心配かけたくないから、言わないでくれ」と言っていたという。

 この話を聞いて、筆者は10年前に膀胱がんで37歳の若さで亡くなった友人を思い出した。友人は九州の焼酎の蔵元の息子だったが、高校進学で東京に出てから、ゲイの世界に入ったために、家を継がなかった。その彼ががんの告知を受けて入院。退院後、筆者の誕生日パーティーに来た時に「大丈夫か?」と声を掛けたが、「大丈夫よ、私は本多の葬儀委員長をやるんだから、あなたより先に死なないから」と言ったにもかかわらず、2カ月後に他界した。亡くなる前日、九州から駆けつけた母親に「ゲイの世界に入ってごめんなさい」と詫びたという話を聞いて、涙が止まらなかった。たけしも、お宮の松から梅津さんが「芸能界に入れくれた人に心配をかけたくない」と言っていたということを聞いて、感動したという。「今どき義理堅い、こんな素晴らしい男がいたんだよね。弔問に行ってきたよ」と言って、たけしは少し涙ぐんでいた。

 そのたけしだが、その日は、フジテレビの『27時間テレビ』用の収録で膝を怪我したらしく、痛々しい姿で現れた。66歳となった今も、芸人として体を張りつつ、映画人としても妥協をしない。そんな姿勢が、梅津さんにも愛されたのだろう。サービス精神はわかるが、危ないことは若い連中に任せて、そろそろ卒業してもらいたい。
(文=本多圭)

日刊サイゾー

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