「俺とラブしてくれませんか?」醜悪な欲望が絡み合う『天国の恋』の情念

日刊サイゾー / 2013年11月8日 16時0分

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「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。

 中年女性店員が揉み合いの末、ジャニーズJr.高田翔が演じる万引き青年の股間をわしづかみにする――。そんなシーンから始まったのが、昼ドラ『天国の恋』(フジテレビ系)だ。

 その“感触”に気づいて思わず手を離してしまい、万引き青年を逃してしまったのが、床嶋佳子演じる古書店の嫁・斎(いつき)。万引きされたのを知って「わざと逃したんじゃないか?」と叱りつける夫・郷治(ダンカン)との夫婦仲は冷えきっている。そんないら立ちと万引き青年に対する欲情を抱えながら、同世代の“アラフォー仲間”たちが若い男たちと交際しながら生き生きと生活していることを知り、真剣に「離婚」を考え始める斎。その夜、そんな彼女に「いいだろ? お前には俺っきゃいないんだから」と関係を迫る夫を、斎は拒むのだった。そして翌日、万引き青年は免許証の入ったカバンを取り戻に再び店にやってくる。が、その中に免許証がない。青年があきらめて店を出た後に古本の間に埋もれていた免許証を見つけ、それを口実に、青年のもとを訪れる斎。そこで青年は「俺、この前万引きしたとき奥さんにギュッとつかまれたもんで、あれから思い出すと切ないっス。胸が締め付けられたりモヤモヤしてきて……」と言うのだ。「ごめんなさい、思わず……」と謝る斎に、青年は続ける。「奥さん、俺と寝てくれませんか?」と。戸惑う斎に、青年は熱い眼差しを向けて迫る。

「俺とラブしてくれませんか?」 

 ここまでが、わずか30分の第1話に凝縮されていた。ツッコミどころは満載だが、いちいちツッコんでいたら、このジェットコースターのような展開に振り落とされてしまうこと必至。脚本は、『真珠夫人』や『牡丹と薔薇』などの中島丈博。近年でも『赤い糸の女』などで話題をさらったばかりだ。昼ドラの中島作品といえば、ドロドロとした恋愛模様、嫉妬、秘められた過去、憎悪が渦巻く過剰でエキセントリックな物語が特徴だ。そして大胆な濡れ場。しかも、今回はその相手役がジャニーズのアイドルである内博貴や高田翔。当然、これまで以上に主婦の妄想を刺激する。昼ドラ×中島丈博×ジャニーズ。まさに“最狂”の組み合わせだ。

 2話以降はさらに、斎が少女時代のことも現在と交差して描かれる。それがまた怒涛の展開だ。まず、いきなり母親と死別。さらに、そのすぐ後には父親(石原良純)とも死別する。そのいずれもが、原因は自分にあると自分を責める斎。彼女を慰めるように、両親の“親友”で、海老原医院の医院長である邦英(石田純一)が姉弟揃って引き取ることになる。当然、邦英夫人やその子どもたちとの軋轢などを生み、それに苦しむ斎と弟の友也(亜蓮)。

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