香川の天敵、マンUを去る 日本代表にもあった「監督と選手の確執」

日刊サイゾー / 2014年4月29日 16時0分

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 香川真司の天敵がマンUを去った。監督のディヴィッド・モイーズである。モイーズ監督は10年間、エバートンの監督を務め、決してビッグでないクラブにもかかわらず、年間最優秀監督を3度受賞した。モイーズが作り上げたのは、フェアで、スピーディーなチームだった。それが認められ、マンUの監督、「the chosen one(選ばれた男)」になったのだが、1年を待たずして解任となってしまった。多くのファンが歓喜の声を上げる一方、元マンUのキャプテンであり、歯に衣を着せぬ物言いをするロイ・キーンは、「モイーズには的確なサポートがなかったし、もっと時間を与えるべきだった。何人かの選手は彼ら自身を恥じるべきだし、彼らは監督を裏切った」と擁護する。

「実は、モイーズ監督とエースFWであるロビン・ファン・ペルシに、戦術上の意見の相違をめぐる確執があったんです。日本代表でも、岡田武史監督の思惑と違うプレーをし続けた小笠原満男が、ハーフタイムに叱責されたということがありました。その後、小笠原は日本代表復帰を熱望したものの、W杯メンバーには選出されず。こういった戦術的確執は、サッカー界ではよくあることなんです。だからこそ、監督にはそれを埋める人心掌握術が求められるんです」(サッカー関係者)

 モイーズ監督が志向したサッカーは、ボールを高い位置から奪うために、全体のポジションを固定化する。そして奪ったら即サイドに展開し、クロスボールを入れて、得点を目指す。ポジションを固定化するため、ファーガソン前監督時よりも流動性が減少。そのためイングランドでは「守備的かつ後ろ向き」と批判されていた。それでも、そういったサッカーが悪いわけではない。だが、その体制転換に時間がかかり、プレミアリーグ、欧州チャンピオンズリーグ共に早々と優勝の可能性がなくなり、今回の解任となってしまった。しかし、これは予見できたことだと前出の関係者は言う。

「モイーズ監督に悪評がつきまとっていますが、むしろ無能なのはフロントですよ。分かりやすく言えば、マンUはロングボールを多用しない静岡学園やセレッソ大阪のようなサッカーから、ロングボールを多用する国見高校やサガン鳥栖のサッカーに変更しようとしたわけです。すぐに結果が出ないのは当然です」(同)

 つまり、モイーズ監督が本来の力を発揮するためには時間が必要だった。さらにいえば、手元にいた選手が、目指す戦術と合致していなかった。その最たる例が、香川である。モイーズ監督がオフェンシブの選手に求めたのは、サイドを独力で突破できる力や何度もスプリントできるパワフルな選手。香川のように、距離感を近くし、狭いスペースをこじ開けられる“バルセロナ型”の選手は重宝されなかった。それを物語るように、今季リーグ戦出場は16試合と、出場機会に恵まれていない。

 さて、日本代表発表まであと2週間。今のところ、ザッケローニ監督と特定の選手の確執は聞こえてこない。ただし、戦術的理由から、待望される中村俊輔や闘莉王の代表選出はないという声が多い。

日刊サイゾー

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