【W杯】ザック監督のミスジャッジを追及できず……試合後会見に見る、日本サッカーメディアのお粗末さ

日刊サイゾー / 2014年6月20日 17時30分

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 タイムアップのホイッスルが鳴ると、スタンドでは小さなブーイングが起きた。ペナルティーエリア内での攻防の少ない0-0という試合に、両チームのサポーターが不満を示したのだろう。

 ギリシャとの第2戦、香川真司に代わって大久保嘉人を先発させた日本だが、これは攻撃的な意図ではなく、「しっかりと守備をしながら」(長友佑都)という意味合いが強い。ザッケローニ監督の頭には、コートジボワールに香川のスペースを狙われた記憶が、色濃く刻まれているのだろう。もちろん、その狙い自体は悪くない。問題は、それをいつまで続けるか、である。

 日本はこの試合に勝たなければ、グループリーグの自力突破ができなくなる。どこかで勝負に出なければいけない。そのタイミングは非常に難しいものだが、ギリシャが自滅という形でそれを教えてくれた。前半38分、ギリシャに退場選手が出て、日本は数的優位に立ったのだ。そんな状況下、日本は自分たちの特徴を出しながら攻めていく。しかし、ザッケローニ監督が試合後語ったように、「最後のスピードが足りなかった」。

 元日本代表の都並敏史氏は「ドリブラーの齋藤(学)を入れるべき」と指摘したが、清武弘嗣など、最後のスピードを上げられる選手はベンチにいた。しかし、ザッケローニ監督は、最後の1枚の交代カードを切らない。「カードを切らなかったのは、サイドから行くことができていたから。中央のスピードを上げるため、吉田(麻也)を(前に)上げた」と、またもコートジボワール戦で失敗したパワープレーを選択。これには、現地取材を行っている元日本代表の解説陣も絶句する。

 当然、日本テレビが生放送した試合後の記者会見では、ザッケローニ監督が大バッシングを受けるかと思いきや、日本の大手メディアの記者からの質問はなし。元日本代表の秋田豊氏がパワープレーについて疑問を呈したが、追随する日本の記者は現れなかった。

「これから報道される内容は、間違いなくザック監督へのバッシングでしょうが、生放送で映し出されたように、会見で質問する記者って少ないんですよ。『日本人選手は自己主張できない』と批判しながら、当のメディアもそうなんです。もちろん、そうではない記者もいますが、すべての記者がワールドカップを取材できるわけではありません。日本サッカー協会から許可を得た、かなりの倍率を勝ち抜いた記者が、あそこの会見にいるわけです。その選定基準は、過去の実績や、日本代表関連の取材にどれくらい足を運んでいるか。ある意味では、日本サッカー協会との距離が近い人が有利です。つまり、批評精神があるかどうかは、ワールドカップの取材に関係ありません」(メディア関係者)

 以前、某サッカー誌の新人記者が、日本メディアが会見で何も質問しないことに驚き、「メディアの質問の有無が結果を左右したとは言わないが、他国とのサッカー文化の差を見せつけられた」と語っていたが、今回の会見でも、日本代表の成長を促すような日本語の質問は聞こえてこなかった。

 アドバンテージを生かせなかったザッケローニ監督は批判されて当然だが、勝ち点1でグループ3位という状況への危機感を、会見で表現できないメディアにも問題があるのではないだろうか? 危機感と大会での結果は、02年日韓大会と10年南アフリカ大会のように、比例関係にあるのだから。

日刊サイゾー

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