上場にも影響が!?  中国LINE完全遮断で飛び交うさまざまな臆測

日刊サイゾー / 2014年7月23日 15時0分

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 東京証券取引所と米国証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請し、ともに年内の上場が予想されているLINEに暗雲が垂れ込めている。中国国内で、スマートフォン端末でのLINEの利用が完全に不可能になったのだ。

 中国大陸でのLINEの利用に支障が出始めたのは7月1日のこと。しかし、この時点では、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)を利用すれば、以前と変わらず接続可能であった。

 VPNとは、当局の遮断網をすり抜けるためのトンネルで、中国当局によってアクセスが遮断されているFacebookやTwitterも、複数の民間業者が提供するVPNサービスを利用することによってアクセスが可能である。

 ところが、複数の中国在住者の報告によると、7月20日、VPNを介してもスマートフォンからLINEへの接続ができなくなったという。ちなみに7月22日現在、LINEのパソコン版アプリや中国大陸以外の携帯電話番号にひも付けされたアカウントは、VPNを介すことによって利用可能のようだ。

 日本の友人や家族との連絡手段にLINEを利用していたという広東省在住の日本人男性は、こう困惑する。

「これまでは天安門や法輪功といった禁句でさえ、VPNを利用すれば検索できるため、中国にいても当局によるネット検閲を実感することは少なかった。そんなVPNも役に立たないアクセス遮断が、一体どんな方法で行われているのか、在中邦人間ではさまざまな臆測が飛び交っている。とにかく、今までにない新しい検閲技術が導入されているのでは」

 臆測は、LINEの完全遮断に打って出た当局の動機についても広がっている。

 広東省ブロック紙の社会部記者は話す。

「LINEは香港や台湾をはじめとする、大陸外の華人に広く浸透しているが、当局は彼らと自国民が密なコミュニケーションを取ることを恐れているのでは? 第一段階のアクセス遮断が行われた7月1日は香港返還から17周年に当たり、日ごとに増す中国共産党からの干渉に反対する大規模なデモが起きた。そのため、LINE上でも民主化に関する話題が高まることが予想されていた」

 一方、中国事情に詳しいフリーライターの高田信人氏は、ある企業が関与している可能性について指摘する。

「中国では、独自のチャットアプリ『微信』が普及しており、登録ユーザー数は6億人以上とも伝えられている。一方、LINEは中国市場に本格参入してわずか1年で、1億人ほどのユーザーを獲得したとみられており、新参者ながら微信を猛追していた。そんな中、日米での上場申請というタイミングで起きたLINEの完全遮断は、微信が画策したのではといううわさもまことしやかに流れている。LINEは、反政府的キーワードのいわゆる『敏感語』を自ら500語以上設定し、それらを含むメッセージの送信をブロックするという自主検閲を行うなど、中国当局には従順な態度を示してきただけに、2012年にグーグルが中国の検閲に逆らい、撤退に追い込まれたケースとは訳が違う」

 今回の完全遮断がいつまで続くのか、また、日米で控える上場にどんな影響を及ぼすかは不明だ。しかし、いずれにせよ、上海地下鉄のラッピング広告をはじめ、金に糸目をつけない大規模なPRイベントを全国各地で展開してきたLINEにとって、大きな痛手となるのは必至だろう。
(文=牧野源)

日刊サイゾー

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