人や動物の排泄物から、カエル生食まで……中国で奇抜な民間療法が広まるワケ

日刊サイゾー / 2014年11月7日 19時0分

 中国の農村部で、奇抜な民間療法が広がっている。湖南省湘潭県にある20世帯あまりの村で、がんの予防や治療のために牛と羊の糞を水に溶かして飲むことが流行しているというのだ。

 作り方は、排泄したての新鮮な牛と羊の糞をそれぞれ日干しし、加熱して乾燥処理した後、砕いて粉末に。その後、2種類の“糞末”を水に溶かして、朝晩2回服用するというのだ。

 聞くだけで嘔吐をもよおしそうなこの“糞水療法”は、村に暮らす老婆によって広められたという。末期の肺がんを患っていたこの老婆は、海南省で働く息子が名医から聞いたという糞水療法を試したところ、8カ月後には病状が改善されたというのだ。

 最近では、婦人科系の病気にも効いたという人も現れ、この村での糞水消費量は増える一方だという。

 健康になるどころか、逆に細菌やウイルスに感染してしまいそうだが、中国で排泄物を薬として服用する例は昔から存在するという。中国在住フリーライターの吉井透氏は話す。

「人の糞を乾燥させた人中黄は、解熱や解毒の効果があるとされる伝統的な漢方薬。また、子どもの小便の成分を抽出した薬や、胎児の排泄物なども体に良いとされてきた。動物では、コウモリやネコの糞が薬として珍重された歴史もある」

 排泄物以外にも、中国には非科学的な民間療法が横行している。5月には、糖尿病治療としてトノサマガエルの生食を続けていた男性が、寄生虫に冒されて死亡するという事件も起きている。

 その背景について、吉井氏はこう指摘する。

「医療制度の未整備によって、貧困層や農村には正規の医療サービスにアクセスできない者が多い。そういった人たちは、がんになってもまともな治療を受けることもできず、わらにもすがる思いで、どこかで聞いた非科学的な民間療法に手を出してしまうのでしょう。中流層でも、点滴や薬の乱処方を行う営利主義の医者たちの影響で医療不信が広がっており、民間療法が信仰されやすい状況にある」

 ネット上では笑い話となっている糞水療法だが、その背景はあまりにも悲しすぎる。
(文=牧野源)

日刊サイゾー

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