ネット進出に出遅れた女性誌に苦境の波「原稿料は3分の1以下」「10年後には、すべてなくなる……」

日刊サイゾー / 2014年12月9日 11時0分

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 年々苦しくなっているという出版界だが、銀行や美容室の待合室に置く習慣から一定の部数を売り続ける女性週刊誌でも、ここのところ広告が減少傾向にあるという。

「部数がキープできても、営業マンが広告を取るのが、さらに厳しくなっている。ファッションや美容関係のクライアントからは、広告費の値下げが要求されたりもしている」(女性誌編集者)

 その原因のひとつは、やはりインターネットで、女性向けのファッションや化粧品、美容グッズを紹介する無料サイトのアクセス数が右肩上がり。1日100万件のアクセスを超えるライフスタイルサイトは珍しくなくなり、そこにクライアントが広告を入れ始めている。

「ネットだとクリック数で広告の効果がはっきり出るのも企業にとっては都合がよく、すでに雑誌広告を超えたものという認識になりつつあります」(同)

 一般社団法人日本雑誌協会が発表した発行部数は「女性自身」(光文社)が約39万9,000部、「女性セブン」(小学館)が約38万2,000部、「週刊女性」(主婦と生活社)が23万6,000部となっているが、流通業者によると「実際の実売部数は、そのおおよそ5~6割で推移、悪いときは5割を切ることもあるのが実情」という。

 そんな中「長年、女性誌の仕事で食ってきたところ、ついに契約を切られた芸能記者も続出している」と前出編集者。

「最近は、テレビの人気タレントを軸にした出演者の不仲や恋愛事情という話への無関心が強まっています。江角マキコの落書き騒動とか、矢口真里の不倫など大きなゴシップになれば需要はありますが、ただのタレントの私生活というだけでは、20~30代の若い層に受けなくなっています。そういう時代の変化についていけない記者がいて、相変わらずデートの目撃談ばかり出してくるベテラン記者は契約を切られていました」(同)

 そのせいか、ある出版社では最近のリサーチで、女性誌を買う層が年々高齢化しているという結果が出たという。美容室の待合室でも女性誌を手に取るのは40代半ば以降で、若い層はスマホ片手に、雑誌には見向きもしないといった具合。

 書籍の流通に詳しいジャーナリストの江戸川素生氏も「今後は、デジタルコンテンツ化を進めていくのだろうが、『女性セブン』がWEBニュースの『NEWSポストセブン』に原稿を流してサイトを見た人を紙媒体に誘導しているのに対し、『週刊女性』と『女性自身』は、いまひとつIT化に乗り遅れた感がある」としている。

 前出編集者によると「それこそ4~5万部で頑張っている月刊誌なんて山ほどありますが、そういうところは、もとから経費の切り詰めに慣れていて細々とやっている。でも、女性誌は20年前の感覚で費用をかけてやっているので、売り上げが5%落ちるだけで、かなり厳しくなります。10年後には、すべての女性誌がなくなっているなんてことだって、あり得ないとは言えない」という。

 ある女性誌では昨年、人材の入れ替えで記者を大々的に集めたが、若い人材が集まらず、40代中心の応募ばかりだったとういう話だ。女性誌で長く編集の下請けをしてきたフリーの編集者からは「昔は1ページ5万円で仕事をしていましたが、今は1万5,000円と3分の1以下」という声も聞かれる。ほかの雑誌に比べれば安定していた女性誌も、打開策が必要となってきたようだ。
(文=ハイセーヤスダ)

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