遺族デモに“催涙剤”高圧放水! 異常だらけの「セウォル号1周年」は韓国政府の謀略か

日刊サイゾー / 2015年4月24日 15時0分

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 修学旅行中の高校生250人を含む304人もの犠牲者を出した韓国・セウォル号沈没事故。今月16日に事故発生から1年を迎えたが、事態は終息どころか日増しに混迷を深めている。

 ソウル市中心部・大統領官邸からもほど近い光化門広場では、犠牲者遺族と市民団体が3月30日から4月16日まで416時間デモを敢行。一方、警察は機動隊車両で官邸に向かう道を封鎖するバリケードを築くなど、異様な空気が高まった。11日には官邸への行進を試みた集団が警察と衝突し、警察が催涙剤入りの高圧放水で鎮圧。その後もデモ隊や遺族らと警察が盛んにもみ合い、多数の逮捕者が出た。だが光化門広場の熱気は衰えず、5月1日のメーデーまで異常事態が続く見込みだ。

 あれだけの大惨事の割に、政府の1周年追悼行事は異常を呈している。朴槿恵大統領は16日正午に事故海域近くの焼香所で献花を予定していたが、遺族らは到着前に焼香所を施錠して面会を拒否。朴大統領は仕方なく港の防波堤でメディア相手にメッセージを読んだ後、その足で南米歴訪に出発した。李完九首相(当時)も同じ日に京畿道の合同焼香所を訪れたが、やはり遺族に追い返されている。

 一方、韓国政府はこの日、セウォル号事故1周年行事「第1回国民安全の日・国民安全確約大会」を開催。軍楽隊の華々しい演奏とともに、ライフジャケットや潜水服などの救助装備が誇らしげに展示された。ところがセウォル号事故の写真展示や追悼の準備は一切なく、遺族も不在。会場外で若い男女が政府批判のビラをまくなど、式典は異様なムードに包まれた。また、行事に合わせ、船上で救助訓練を行うはずだったが、中止されたことも後に判明。これらを受け、行政がセウォル号事故の風化を図っているとの批判が噴出した。

 未曾有の事故から1年。真相究明と再発防止の取り組みは、暗礁に乗り上げている。昨年11月可決の通称「セウォル号特別法」では「特別調査委員会」が設置され、中立な立場で事故の真相を究明するはずだった。だが行政当局は公務員主導とする「セウォル号特別法施行令案」を発表し、特別調査委の権限を縮小した。この露骨な骨抜きに遺族らが猛抗議し、冒頭で伝えた光化門広場での警察との衝突につながったわけだ。

 また同法の施行令として、遺族に対する賠償・補償金の規模と申請手続きも示された。金額は1人当たり8億2,000万ウォン(約9,000万円)と大きく報じられたが、これは行政当局が勝手に損害保険の保険金まで上乗せして水増しした数字。また財源は海運会社の差し押さえで捻出され、国費は使われない。だがメディアを通じて遺族が税金をせびっているというイメージが作られ、世論の分断が進んだ。賠償・補償金の申請期限は今年9月まで。遺族は特別調査委の結論を待たずに、国との和解を迫られる。

 特別調査委の骨抜きと賠償・補償金の確定で、事故の幕引きを急ぐ韓国政府。メディアでは「韓国は何も変わらなかった」との声も相次ぐ。光化門広場の怒号は、まだやむ気配はない。
(文=コリアラボ)

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