「ちょっと失礼します!」馬上で出産!? バカでマヌケな人々が世間を賑わす『100年前の三面記事』

日刊サイゾー / 2016年3月21日 19時0分

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 1986年から続くTBSのラジオ番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』。今年の4月に約30年の歴史に幕を閉じることがアナウンスされ、業界内外から惜しむ声が多くあがった。

 同番組内のコーナー「100年前の三面記事特集!」が人気を博し、2011年から14年放送分を元に一冊にまとめたのが本書『100年前の三面記事』(KADOKAWA)である。

 今から100年前というと明治後期から大正時代。まるで落語のような話題を明治中期、明治後期、明治末期~大正~昭和初期と3編にわけて本書は紹介。

 スタートを飾る記事は、明治12年11月20日の東京日日新聞に掲載された『馬上で出産した妊婦』の話題。記事によれば、臨月の妊婦を迎えの馬に乗せたところ、その移動中に陣痛が始まってしまった。妊婦は、慌てる周囲に「騒ぎなさるな! ちょっと失礼します!」と一喝し、馬に乗ったまま尻を突き出して、無事出産したという。

 また、明治34年4月23日の朝日新聞では、秋田県に赴任した武田千代三郎知事が、「県庁の職員が何を言っているかさっぱりわからない」と訛りを矯正させたという記事がある。明治に入り、文明開化といっても秋田をはじめとする東北と東京では、まだまだ隔たりがあったのだ。秋田県庁に勤める人々の多くは、農家出身で「ズーズー弁」を使っていた。武田知事は、ズーズー弁を矯正させるために、何人かの職員を連れて幾度となく上京し、彼らをあえて東京にほったらかしにしたという。

 知事の努力は実り、やがて県庁内で「洋行会」という集団が結成され、積極的に新しい文化に触れていくようになった。

 現在、大相撲を白鵬など外国人力士が席巻しているが、それに先立ち国技館に出たいと一大決心をして日本へやってきたドイツ人力士がかつていた。大正2年12月5日東京・朝日新聞の記事によれば、そのドイツ人は身長180cm体重98kgと恵まれた体型で、親方からも将来有望と期待されていたが、ある日を境に姿を消してしまったそう。のちにわかったその理由は「ちゃんこ鍋が苦手だったから」。

 ほか、137本の話題を収録。実際に大沢悠里が番組内で発した「人情だねえ」「大したもんだ」など暖かみのあるコメントを、イラスト付きで掲載。

 大沢もあとがきで語っているが、100年前とはいっても自分の祖父や両親たちが生きていたかもしれない時代。陰鬱な事件ばかりの昨今より、バカバカしくてマヌケな話題が世間を賑わせた100年前に、豊かさを感じずにはいられない。

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