「集めて編むのが編集だ!」名言連発の熱すぎる編集者マンガ『編集王』
日刊サイゾー / 2016年7月27日 15時0分

『重版出来!』というマンガをご存じでしょうか? 大学を卒業したばかりの新人女性漫画編集者、黒沢心が、本が売れない時代に作品を売り出すために奮闘するという、いま一番熱い“編集者マンガ”です。現在も「月刊!スピリッツ」(小学館)誌上で連載中であり、黒木華主演でドラマ化もされました。
『重版出来!』はもちろん素晴らしい作品ですが、僕らのような90年代のマンガをこよなく愛するロートルマンガ読みにとって、どうしても忘れられない編集者マンガがあります。それは、土田世紀先生の『編集王』です。
主人公は、桃井環八(通称カンパチ)。子どもの頃に読んだ『あしたのジョー』に影響を受けてプロボクサーになったものの、網膜剥離で引退を余儀なくされます。失意のドン底にあったカンパチですが、幼なじみでヒロ兄ィと慕う「週刊ヤングシャウト」編集デスク、青梅広道に誘われ、マンガ編集者の道を歩むことになるのです。
このマンガ、一言で言えば、とにかく熱い。まさに、やけどしそうな作品なんです。元ボクサーのカンパチが熱血漢なのを筆頭に、編集長も編集者も、漫画家もアシスタントも、書店員や出版社の営業マンまでもが例外なく熱くて、狂おしいほどに漫画バカ。まるで格闘技マンガを読んでいるかのようなスリリングな展開と、浪花節のような泣かせるセリフ回しの応酬が魅力です。
では、『編集王』がどのぐらい熱いか、ご紹介していきましょう。まず、ボクシングで挫折したばかりのカンパチをヒロ兄ィが励ましつつ、「週刊ヤングシャウト」編集部に誘うセリフ。
「おめえの人生は全20巻じゃねえ…」
「おめえにゃあ、あさっても、しあさってもやってくるんだからな」
「兄ちゃんの職場に来てみろよ…ネクタイ締めたリングもあるぜ!」
見事に全部『あしたのジョー』縛りでセリフが成立しています。「ネクタイ締めたリング」とか、たとえがうますぎるだろ。大喜利か! まあ、こんな熱いセリフで誘われたら、絶対転職しますよね。
そして、編集部にアルバイトとして採用された主人公のカンパチ、この男は気性が荒く、毒舌で思ったことをそのまま口に出す、まさしく狂犬です。『美味しんぼ』の主人公、山岡士郎も、世界3大珍味のフォアグラをディスってアンキモのほうがうまいと言ってみたり、中華街で「ゴマソースの物もチリソースの物も同じ皿でとれって言うのかっ!!」ってよくわからないキレ方をしたりと、かなりの狂犬っぷりを発揮していましたが、それに匹敵するレベルといって過言ではありません。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
世田谷であしたのジョー展 資料200点で魅力に迫る
共同通信 / 2021年1月19日 15時16分
-
【エンタがビタミン♪】中田敦彦をSNSでアシスト、福田萌の“匂わせ”投稿にファンも「公開が楽しみ」
TechinsightJapan / 2021年1月15日 19時26分
-
情熱的にあすを生き抜くために 『あしたのジョー展』 世田谷文学館にて
太田出版ケトルニュース / 2021年1月15日 17時32分
-
【漫画】地縛霊の復讐を手伝うハメに 除霊師の助言を聞いた結果…「言い回しがツボ!」
マグミクス / 2021年1月4日 19時10分
-
40周年『ビッグコミックスピリッツ』が高い“実写化率”のワケ…骨太作品の裏にある脱アンケート至上主義
ORICON NEWS / 2020年12月30日 8時40分
ランキング
-
1「ガチの友情」「まるで自分の番組」 サンジャポ、田中裕二「代役」くりぃむしちゅー上田晋也に視聴者衝撃
J-CASTニュース / 2021年1月24日 12時34分
-
2TOKIO松岡昌宏 ウイカを驚かせた個性的&ド派手私服「全身黒ずくめ、背中にドクロ」
スポニチアネックス / 2021年1月25日 11時54分
-
3瑛人 「香水」の歌詞は実体験をもとに、大ヒット後に元カノから連絡「印税よこせって」
スポニチアネックス / 2021年1月24日 22時39分
-
4NHK朝ドラ歴代ヒロイン演じた女優たちは今どうしている?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年1月24日 9時26分
-
5「麒麟がくる」衝撃のラストへ!「本能寺の変始動スイッチを入れるのは帰蝶だ」「光秀は生き延びて家康の腹心になる?」「こんなに切ない信長見たことない」
J-CASTテレビウォッチ / 2021年1月25日 3時20分