生命保険会社社員の“オレオレ詐欺”逮捕に業界騒然!「顧客の個人情報悪用なら、大変なことに」

日刊サイゾー / 2017年2月16日 21時0分

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 生命保険会社の社員がオレオレ詐欺に関与していた件で、業界に衝撃が走っている。

「万が一、顧客の情報を悪用していたのであれば、大変なことになってしまう」

 こう話すのは、大手保険会社の営業担当者だ。

「オレオレ詐欺は主に高齢者がターゲットにされますが、保険会社にも高齢の契約者が多いので、万が一、社内情報が詐欺に使われたとなれば、信用は一気に地に落ちてしまう。同業者としてはいま一番、気になるニュースです」(同)

 2月8日、振り込め詐欺の容疑で逮捕されたのは「ジブラルタ生命保険」社員・井手麻貴(あさき)容疑者(30)。警視庁竹の塚署によると、井手容疑者は埼玉県の80代女性に親族を装い「会社の金で株を買ってしまい、返さないとまずいことになる」などと電話でウソを言って、200万円をだまし取ったというもの。

 井出容疑者は現金の受け取り役を勧誘する役目もしていたとみられ、実際に「金を運ぶ仕事がある」と勧誘された元同僚が昨年11月、別の詐欺未遂事件で逮捕されている。

 井出容疑者はこの件について「仕事は紹介したが、詐欺とは知らなかった」と容疑を否認しているが、警視庁は別に余罪があるものと見て捜査中だ。ジブラルタ生命保険は事件について「確認中」とし、井出容疑者が会社の情報を悪用したのかどうか、被害者に顧客などが含まれていたかどうかについてはわかっていない。しかし、同業者の不安は拡大中だ。

「契約者の個人情報は、主に『名前や年齢、住所などの基礎情報』『誕生日や社会保険番号などの私的情報』『収入や支払い状況などの財務情報』『身長や体重のほか病歴などの医療情報』の4つがあるんですが、厳重な管理があるのは後ろ3つ。しかし、高齢者をターゲットにした詐欺なら、一番緩い名前や年齢、住所などの基礎情報だけで十分悪用できると思います。保険会社の個人情報は精度が高いので、辞めた社員がこっそり闇市場に持ち出したりすることもあるのですが、コンピューターの閲覧記録などで判明することがあります。でも、基礎情報だけなら日常の作業で複数の社員が見るので、たとえ悪用したとしても情報漏洩の証拠を取るのは難しいかもしれません。情報管理の監督責任は会社にあると法律でも定められているので、もしも問題が出てしまったら、保険業界全体への痛手となるはず」(前出・営業担当者)

 昨年、あるオレオレ詐欺グループは、高齢者の情報を集める新しい手口として「高齢者のひとり暮らしを支援するグッズのプレゼント」を装ったハガキを配布。送られてきた情報をもとに詐欺未遂事件があったことがわかっている。このときは実質的な被害は出なかったというが、こうして詐欺グループの情報収集の手段が、日々巧妙化している中で、保険会社の社員までもが詐欺に加担していたというのでは事前に食い止めるのがかなり困難なレベルになっているといえる。

 今回の事件で保険会社が持つ個人情報が悪用されてはいなかったと願いたいが、いずれにせよ、今後に不安を残す話である。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

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