外来種を“敵”だ“悪”だと決めつけるフジテレビ『ゲキタイレンジャー』の違和感

日刊サイゾー / 2018年2月13日 20時0分

 企画段階でどちらが先だったかはわからないが、平坂氏が『ゲキタイ~』序盤で肩慣らしがてらに捕獲していたプレコ(これも沖縄で激増してる淡水外来魚)も、やはりグリル厄介の初回で1年ほど前に取り上げていたものだし(おそらくこれも平坂氏がネタ出し)、どうしても連想してしまう。

 

■「被害者」は誰か?

 

 そしてそれ以上に気になるのは、この番組だけではなく、近頃流行りの「外来種(害獣)駆除」を掲げた番組に共通するのだが、その対象を過剰に「悪」に仕立て、「敵」とすることで、その問題の根本をぼかしたまま思考停止したように「駆除」「撃退」に突き進むような見せ方だ。

 筆者も好きな『池の水ぜんぶ抜く』シリーズ(テレビ東京系)でも正直、外来種に対しての扱いや印象付けで気になる点は多いのだが、今回も「凶暴害獣」「緑の悪魔(=グリーンイグアナ)」「キングオブ害獣(=鹿)」「半グレ鹿」と、とにかく巨悪に仕立て上げる。

「グリーンイグアナ」を見かけたことのある島民の方々にインタビューしている際も「被害者」というテロップが赤字で強めに入る。これらの方々は「噛まれたり(尻尾で)叩かれたりしたら結構なケガをするんで、そういう被害が出ないかという不安はある」とか「爪も長くて(もしも)教室に出たら怖い」とか、実際に攻撃をされたわけではない。

 いや、もちろん島の生態系を崩しているわけだし、不安に襲われているという意味で「被害者」ではあるし、そこは否定されるべきではない。実際発情期のイグアナはナーバスで攻撃してくることがある。

 しかし、このインタビューの際も「リアル撃退ドキュメント」というテロップがずっと出ており、ドキュメンタリー的な面を煽るわりには、「危険極まりないイグアナに悪になってもらうための弱者が存在してほしい」という意図を感じてしまうのだ(『池の水~』でも、触ったことで抵抗し噛み付いただけのアカミミガメに対し、その子どもが「駆除して欲しい!」と訴えたことで駆除が始まる演出に、強い違和感を覚えた)。

 つまり、言うのも馬鹿らしいが、ドキュメントというならば大前提としてこのイグアナなど外来種を野に放ち、野生化させてしまったのが人間である(島民の誰かという意味ではなく種としてのヒト)いう、謙虚さともいうべき目線が欠けている。綺麗事だけでは済まないが、やはりグリーンイグアナ自体が「被害者」であるという目線はもっと必要だと思うのだ。

日刊サイゾー

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