大失敗でも、もう止められない2020年東京五輪……怒りのあまり、売れているのは「批判本」

日刊サイゾー / 2018年7月22日 18時0分

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 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックは、どう転んでも大混乱は必至。もう、誰もが失敗を予測しながらも止めることのできない状況になっているようだ。

 前回、1964年の東京開催では、道路網やインフラの整備など、その後の経済成長に向けた基盤が作られた。でも、今度はむしろ経済を阻害する可能性すら出てきている。

 7月7日に開催された公開講座「東京2020大会に向けた輸送戦略」では、また新たな問題が浮かび上がった。この講座に登壇した、東京都オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部の松本祐一輸送課長は通勤ラッシュ軽減のため、時差出勤や「ボランティア休暇」を求め、さらにネット通販についても大会中は購入を控えるよう「協力」を求めたのである。

 オリンピックというお祭りで盛り上がるのかと思いきや、まさかの「動くな」「経済活動をするな」という方針。もう、2020年が日本経済の起爆剤になるとは思えない。

 そんな状況下で、いま次第に書店で目につくようになっているのは2020年東京オリンピック・パラリンピックに絡む「批判本」だ。

 先日発売になった、本間龍氏の『ブラックボランティア』(角川新書)は、いま、もっとも問題になっているボランティアの動員の問題を告発する本。『電通巨大利権~東京五輪で搾取される国民』(サイゾー)のような、タブーに斬り込む著述を行っている人物だけに、ボランティアを用いた利権の構造を、シンプルに説明しきっている。

 2020年東京オリンピック・パラリンピックを軸にした「オリンピック批判本」は数年前から、ちらほらと出版されるようになっている。小川勝氏の『東京オリンピック 「問題」の核心は何か』(集英社新書)のように東京開催をテーマにしたものだけではない。ジュールズ・ボイコフ著『オリンピック秘史: 120年の覇権と利権』は、サッカーでオリンピック出場経験もある政治学者が描いた、近代オリンピックの闇の歴史である。

 2020年に向けての、個々の余りある腹立ちは、こうした批判本に手を伸ばす機会を与えているようだ。

「爆発的に売れているというわけではありません。でも、確実に毎日数冊は批判本が売れているという感じです。とりわけ新書は、カタルシスを得やすいのか、人気があるように見えます」(ある書店員)

 運営はグダグタ、酷暑で人死にも出るのではないかと危惧される2020年東京オリンピック・パラリンピック。今さら止められない状況で、せめて本を読んで怒りを誰かと共有したいという人は多いのか。
(文=特別取材班)

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