苦労して築き上げた世界を一瞬で壊すのが快感!! 孤高の漫画家・新井英樹が独自な世界観を語る

日刊サイゾー / 2018年9月13日 16時0分

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 人気コミックの実写化はファンから深く愛されている作品ほど、そのハードルは高くなるが、ここに原作ファンのみならず、原作者からも愛される幸せな映画が誕生した。熱烈なファンを持つ漫画家・新井英樹の代表作を、吉田恵輔監督が映画化した『愛しのアイリーン』がそれだ。農村の過疎化、契約結婚といった社会的テーマに加え、読者に強烈なインパクトを与えた“きれいごとでは済まない愛の形”は、実写映画でもしっかりと主題として据えてある。フィリピンでのヒロインオーディション&ロケを敢行することで実現した映画『愛しのアイリーン』を、原作者・新井英樹はどう受け止めたのか。また、他の作家の追随を許さぬ新井英樹ワールドはどのようにして誕生したのか。そのディープな世界に分け入ってみよう。

──新井作品を愛する吉田監督によって映画化された『愛しのアイリーン』は、配役もうまくハマり、完成度が非常に高いですね。

新井 ほんと、そう思います。幸せな結果になりました。

──長編デビュー作『宮本から君へ』がテレビ東京系で4月~7月に連続ドラマとして放映されたのに続いて、代表作『愛しのアイリーン』も映画に。原作の発表から四半世紀を経て、若手監督たちによって次々と新井作品が映像化されていますが、ご本人的にはこの状況をどのように感じているんでしょうか?

新井 単純にね、届いててよかったなと。俺自身がいろんな映画や漫画の影響を受けているので、自分がいい影響を受けたなと思える部分を下の世代にも伝えたいと思っていたんです。でも、まさか『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』と2本続けて映像化されるとは思いもしなかった。しかも、『宮本から君へ』は真利子哲也監督、『愛しのアイリーン』は吉田恵輔監督と、どちらも才能ある監督が撮ってくれた。吉田監督が『アイリーン』を撮るって、「これ絶対、面白いだろう」という気持ちもありました。

──ちなみに吉田監督作でお気に入りは?

新井 『さんかく』(10)が大好き。人間ドラマとしてよく出来ているし、キャラクターもすごくいい。途中で恋愛がもつれる展開になると、下手なホラーより怖くなる。日常が非日常に変わっていく瞬間を描くのがすごくうまい監督。「この監督が撮ってくれるのなら、何をやってくれてもいい」と思っていたんです。でも、最初に吉田監督が『愛しのアイリーン』を映画化したいという話を持ってきたときは、どこまで信じていいのか分からなかった。「お金が集まるかどうか分かりません」と言っていたのに、20日くらいしたら撮影スケジュールが送られてきて、アイリーン役の女の子(ナッツ・シトイ)の写真も送られてきた。あまりにもアイリーンにそっくりで、大爆笑してしまいましたよ(笑)。

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