『この世界の片隅に』の真木太郎プロデューサーが放つ<終わりなき、絶望。> 北村龍平監督最新作『ダウンレンジ』

日刊サイゾー / 2018年9月13日 23時0分

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 北村龍平監督の最新映画『ダウンレンジ』が、いよいよ9月15日より、新宿武蔵野館ほかで公開される。

 実写映画『VERSUS -ヴァーサス-』『あずみ』『スカイハイ 劇場版』『ゴジラ FINAL WARS』そして『ルパン三世』などで知られる北村が今回タッグを組んだのは、社会現象を巻き起こしたアニメーション映画『この世界の片隅に』のプロデューサー・真木太郎。

 銃弾の射程圏内を意味し、兵士たちの間では「戦闘地帯」を表す言葉をタイトルに用いたこの作品は1万人を越すオーディションから選ばれた俳優陣、ハリウッドの一線で活躍する精鋭スタッフ、そして真木プロデューサーのバックアップのもと、インディペンデント体制で作られた。北村監督自ら「原点回帰」と語る作品の衝撃に迫った。

――映画監督・北村龍平。

 17歳でオーストラリアへと渡り、スクール・オブ・ビジュアル・アーツ映画科に入学。帰国後、1995年に映像集団ナパームフィルムズを結成し『ヒート・アフター・ダーク』を製作し監督デビューを果たす。

 1999年『ヒート・アフター・ダーク』の公開直前、筆者が企画者として参入していたロフトプラスワンのステージに颯爽と現れた北村は、店の常連出演者である映画監督・若松孝二を相手に劇場デビュー作に賭ける思いを熱く語り、映画監督を志す若者たちで埋め尽くされた客席の度肝を抜いた。

 新人監督に対して何かと辛辣な意見を述べる若松だが、北村作品を手放しで賞賛する姿が非常に印象的だった。

 かつて若松が主宰した映画講座の受講生でもあった筆者は、恩師の若松を訪ねた楽屋で北村と挨拶を交わし、そのオープンな人柄に魅了された。

 このような出会いを契機として、2001年の『VERSUS -ヴァーサス-』を皮切りに、北村が様々な商業映画を精力的に監督する過程を筆者は見届けていくことになるのだが、良くも悪くも当時のロフトプラスワンに集うインディーズ系の映像作家たちと、商業映画に進出した気鋭の新人監督との間で軋轢が生じてしまったのは、今にして思えば当然の成り行きだったのだろう。

 第1回インディーズムービー・フェスティバルのグランプリを受賞し、北村は商業映画進出への足掛かりを掴んだ。

 また、自らも新たなる才能を見出すべくロフトプラスワンの若手監督発掘イベントに出演し、後進にエールを贈り続けた。

 しかしながら、審査員を務めた若松孝二の的を射た作品評に不満を抱いた輩が一部に見受けられ、そのたびに北村がフォローや助言を試みたものの、ついには堪忍袋の緒が切れ「じゃ、表で話そうか」と立ち上がったその瞬間、店中がハチの巣をつついたような大騒ぎとなってしまったこともあった。

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