池上彰の「35%必要論」でさらなる増税後押しも? 安倍政権が捻じ曲げた消費税悪用のゆくえ

日刊サイゾー / 2019年10月3日 12時12分

 10月1日から消費税率が、ついに10%に引き上げられた。

 メディアは連日、消費税率10%の影響や軽減税率対象商品、ポイント還元といった話題を取り上げている。だが、消費税問題の本質はその税収がどのように使われるかにあるはずだ。

 安倍晋三政権では、本来の消費税の使われ方を“大きく捻じ曲げた”上に、さらなる消費税率の引き上げまで画策している。

 消費税は、平成元年(1989年)2月、当時の竹下昇首相時に導入された。消費税3%の導入の際に、竹下元首相は、「我が国経済社会の活力を維持し、豊かな長寿・福祉社会をつくる礎」とし、消費税による税収の利用目的を「高齢化に向けた安定的な財源確保」と述べている。

消費税導入の本来の目的はいつの間にか変節

 1997年4月1日には、当時の橋本龍太郎首相が社会保障費の増大に対して、「福祉の充実」を理由に、消費税率を3%から5%へと引き上げた。そして、2014年4月1日、安倍政権の下で消費税率は5%から8%へと引き上げられ、この時、竹下元首相が消費税導入時に明言した消費税導入の本来の目的、「高齢化に向けた安定的な財源確保」という目標は変節し、捻じ曲げられることになった。

 安倍政権の消費税悪用は、2012年の「税と社会保障の一体改革」からスタートした。

 社会保障費の増大が財政悪化の要因にもなっているという理由から、「社会保障改革と財政健全化の同時達成のために、2010年代半ばまでに 消費税率の5%引き上げが必要」との方針をするりと打ち出しはじめたのだ。消費税は社会保障費の財政負担を軽減するために導入したはずなのに、「財政健全化の同時達成」という目標に“すり替え”られたわけだ。

「税と社会保障の一体改革」では、消費税率を5%から10%へ引き上げを行うにあたり、その4%分は「社会保障の安定化」として、国債に依存していた社会保障経費を増税分で賄い国債発行を減らす……つまり、財政健全化に使い、残りの1%分を「社会保障の充実」として、介護、医療、子育てなどに充てるとした。

 つまり、消費税率引き上げのほとんどは、「社会保障の安定化」という名目で財政健全化に利用し、「社会保障の充実」という本来の目的への利用割合は5分の1に縮小された。

 さらに、2017 年9 月に安倍首相は「消費税の使い道を私は思い切って変えたい」と表明。消費税収を幼稚園・保育所の無償化などに充当することを打ち出した。それまで、消費税による税収については、「年金、医療、介護の 3 分野」と財政再建に活用することになっていたが、安倍首相の一声で、「少子化対策・子育てを加えた社会保障 4 経費」と財政再建に活用することになったのだ。

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