AIが関与!? 韓国の“ネット性暴力”とPV至上主義がもたらした元f(X)のソルリの死

日刊サイゾー / 2019年11月22日 22時0分

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 今年10月中旬、韓国で人気の女性アイドルグループf(X)の元メンバー、ソルリが自宅で死亡しているのが見つかった。自殺だった。

 ソルリを自殺に追いこんだのはインターネット上の悪質な書き込み(韓国語で「アクプル」)だったと、多くの韓国メディアが分析している。それらはまるで鬼の首を取ったかのような書きぶりである。

 しかし、どの国においても、ネット上に悪質な書き込みは氾濫している。「アクプルがソルリを苦しめ自殺に追い込んだ」という表面的な認識は、問題の本質を隠ぺいするものでしかない。メディアに自身を露出し続ける日々の中で、彼女を常に苦しめてきたもの正体はほかならぬ「性暴力」だったのではないだろうか。

 11歳の頃にデビューしたソルリは、少女から大人の女性へと成長する過程において、メディアや世間から、プライベートや自身の考えを罵倒され続ける人生を歩んできた。特に彼女が、女性である自分の権利を主張した際には“攻撃”がエスカレートした。

 一回り年上のヒップホップ歌手との交際が発覚した時、また自身のアカウントで「ノーブラ」に見える姿で動画配信を行った時など、SNSのコメント欄には罵詈雑言や“性的虐待”のような書き込みが殺到した。

 韓国で堕胎を違法とする堕胎罪に違憲判決が下った時、ソルリが賛意を表明すると批判や罵倒が燃え上がったこともある。いずれも共通点は、彼女が「性」について自由や権利、意見を主張した時である。

 韓国メディアは、ソルリに対して向けられるネット上の性暴力に対して警鐘を鳴らすどころか、面白おかしく書き立て続けた。彼女が自殺した後、まるで正義の使者のように振る舞っている韓国メディアだが、彼女が苦しんでいる時にはひたすら悪意に火に油を注いできたのも彼らである。韓国では、そのようなメディアの商売手法を「コメント商売」、もしくは「女嫌商売」という。明らかな性暴力があったのにもかかわらず、彼女を守るメディアはほぼ皆無だったのだ。業界内部からはこんな声も聞こえてくる。

「“女嫌”を始めとする嫌悪感を増幅するニュースは、クリック数が増えるのでメディアの食い扶持となっている。また、韓国メディアはNAVERという大手ポータルに依存する傾向が強いのだが、そのNAVERは人でなくAIがニュースを選抜している。嫌悪感を増幅するニュースは人気が高いので、それをAIが検索で引き上げPVがさらに増えるという悪循環がある。韓国の記者の中では『AI様に向けて記事を書こう』など皮肉が酒の肴になって久しい」(韓国紙記者)

 公権力や政治、さらには女性の平等を唱える人々も、進歩派を自称する人々もソルリの問題を無視し続けた。驚いたことに「彼女は芸能人だから特別だ」として、誰も手を差し伸べてなかったのだ。芸能人と「アクプル」をテーマとし、ソルリが最後まで出演を続けたTV番組『アクプルの夜』も、結果的に彼女を守ることはなかった。彼女に対するアクプルに直接目を向け、ドキュメンタリーでも作った方が何倍もリアリティがあったのではないだろうか。

 ソルリはこの世を去ったが、韓国で「次のソルリ」が生まれるのも時間の問題かもしれない。実際、元交際相手からリベンジポルノを流布させると脅迫を受けたのにもかかわらず、むしろ非難中傷され自殺を図ったク・ハラの事件から韓国社会は何を学んでいない。性被害や暴力を経験した女性芸能人たちは、ネット上の書き込みや誹謗中傷で2次、 3次的に被害を今でも受け続けている。

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