コロナ禍という国難に、天皇陛下からのメッセージは届けられたか?

日刊サイゾー / 2020年6月27日 12時12分

写真

 2019年の5月に令和への代替わりが大々的な祝賀ムードで行なわれたとき、そのわずか1年後、世界中がパンデミックで大混乱に陥ることなど、誰が予想していただろうか。令和は2年目にして、日本人は等しく試練の時を過ごすことになったわけだが、その間、日本の象徴とも言えるべき、皇室はどのくらい国民へのメッセージを発信できただろうか。

 国民へのビデオメッセージは行なわれなかったが、天皇皇后両陛下は感染症について専門家のご進講を聞き、それを受けての発言という形で国民にメッセージを発していた。4月10日の尾身茂新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長のご進講を受けて天皇陛下は、「この度の感染症の拡大は,人類にとって大きな試練であり,我が国でも数多くの命が危険にさらされたり,多くの人々が様々な困難に直面したりしていることを深く案じています。今後,私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら,この感染症を抑え込み,現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」とご発言。

 また、5月20日の大塚義治日本赤十字社社長・富田博樹同副社長のご進講の時には、ここでも、「これからも,私たち皆が,この感染症の克服に向けて,心を一つにして力を合わせ,困難な状況を乗り越えていくことが大切だと思います」と「心を一つに」という言葉を使っている。ある皇室記者はこのように話す。

「ご進講というのは、天皇が専門家を御所に招いて、経済や国内外の情勢、災害などについての解説をお聞きすることを言うのですが、普通はご進講の内容、それを受けてのお言葉は公表されません。だから今回は珍しいケースですね。その背景としては、これまでの災害なら避難所に天皇皇后両陛下が直接行かれて励ますことができましたが、今回は、密を作っても皇族が感染してもいけないという状況からそれが適わない。だからせめて、ご進講を受けてのお言葉という形で、国民が協力して同じ方向を向いてほしいというメッセージを『心を一つに』という言葉を通して発せられたのだと思いますね」

 もっとも、こういったお言葉は皇室ニュースをよく見ている人には届いたであろうが、日本人全体に広くメッセージが伝わったのかというと、疑問に感じる向きもあるだろう。静岡福祉大学名誉教授で皇室史が専門の小田部雄次氏は、コロナ禍という特殊な事態に直面した皇室の苦しい立場をこう分析する。

「今回の突然のコロナ騒動で、秋篠宮殿下の“立皇嗣の礼”が延期になるなど、即位の儀式が未完のままになっています。コロナ禍のなかで田植えや養蚕などに伝統行事に熱心に取り組む天皇皇后両陛下の姿も報道されていますが、これも逆にそのくらいのことしかできないでいる実態をあらわにしてしまっているとも言える。国民と接することを大事にする象徴天皇が、国民を接する機会を失っているという状況で、かえって天皇皇后がコロナ禍から守られている特権的な存在であることも印象づけてしまったという、皮肉な報道スタイルになってしまいましたね」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング