『フリースタイルティーチャー』自由闊達にラップで遊ぶゆりやん、下ネタ禁止で萎縮のぶるま 早くも差が開く?

日刊サイゾー / 2020年7月28日 16時0分

 何より、すごくいいのはTKとゆりやんの和やかな空気感だ。4人のスチューデントの中で、ゆりやんが1番ラップを楽しんでいるように見えるのだ。黒ぶちから師弟の契りとして黒縁メガネまでもらったゆりやん。このポジティブな環境が、彼女を上達へと導いているはずだ。

 逆に見ていて辛くなるのはDOTAMA&紺野ぶるまペアだ。『フリースタイルダンジョン』の芸能人ラップ企画で呂布カルマにセコンドについてもらったときは、あんなに光っていた紺野。なのに、下ネタを禁じられた今は、坂道を転がり落ちるように魅力を失くしている。

 今回、DOTAMAはゲストとしてゆうまとSKRYUを招いた。実力派ラッパーであり、変態と呼んで差し支えない2人だ。さらに紺野が加わるのだから、どうしたって下ネタの応酬を期待する。なのに、今回も紺野は下ネタ禁止のサイファーを課せられた。ゆうまとSKRYUを呼んでおいて、なぜそんな縛りを設けるの……。

 どうも、紺野はフォームを崩してしまっている気がする。ディスの内容はいいのに、ビートに全く乗れていないのだ。DOTAMAのスパルタに置いていかれないよう、いっぱいいっぱい。心配になるほど紺野がしんどそうだ。もっと、長所を伸ばすタイプのティーチャーのほうが良かったか……? 4人のスチューデントの中で、はっきりと紺野は出遅れた。

 4人のラッパーをタイプ別に分けるとしたら、それぞれ個性的だ。RGの熱さに気付き、バイブスを伸ばす方向へ舵を切った輪入道は長所をひたすら伸ばすティーチャー。カミナリ・石田たくみに何度もスパーリングさせるKEN THE 390は演習中心のティーチャー。ゆりやんの成長に合わせた課題を用意するTKは、生徒と伴走するタイプのティーチャー。そして、生徒を目標値まで引っ張り上げようとするDOTAMAはスパルタ型のティーチャーだ。

 指導の結果はすでに表れてきている。それは、スチューデントを見れば明らか。ゆりやんは楽しそうにラップしているし、RGは充実感を噛み締めている。元よりラップ経験のあったたくみは、上達へのモチベーションが誰よりも高い。そして、紺野は欠点を指摘され過ぎて萎縮している。

 つまりこの番組、芸人の成長を追う番組ではない気がするのだ。ラッパーが持論を基に素人を鍛えると、最終的にどんなMCが仕上がるかを検証する企画として見たほうが正しいし、面白い。その結果、バイブスのあるRGやアンサー力が高いたくみなど、異なる武器を持つタイプが仕上がりつつあるということ。1ヶ月後には芸人同士の総当たり戦が予定されているが、教師と生徒がペアを組んだ2on2バトルも見てみたいものだ。そうすれば、ティーチャーたちは自身の指導力がより骨身に沁みるはずである。

B-BOYの「B」の由来と、B-BOYにちなんだBGMを選曲する演出

 あと、今回の「ミッドナイトHIP HOPアカデミー」はかなり良かった。クール・ハークやブロンクスの話、ブレイクビーツにまつわるエピソードなど、Kダブシャインがかなり親切に解説してくれたと思う。文化的背景がわかると、音楽はもっと面白くなる。

あと、B-BOYの「B」の由来(ブレイクビーツ、またはブロンクスの頭文字)について講義した際にかかったBGMが、RHYMESTER「B-BOYイズム」の元ネタであるJimmy Castor Bunch「It’s Just Begun」だったのにはニヤリとした。こういった細部が我々の琴線をくすぐるのだ。粋な演出だった。

 正直、『フリースタイルティーチャー』初回を見たときは「微妙だな……」と困惑したが、次第に見られる内容になってきたと思う。ちょっと面白くなってきた。

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