あのスティーブ・ジョブズが崇拝した! ヒッピー時代にアメリカへ渡った禅僧の驚愕人生と素顔

日刊サイゾー / 2020年9月4日 21時0分

 スティーブ・ジョブズが師と慕い、一時は生活を共にした禅僧・乙川弘文(おとがわ・こうぶん)。アメリカ・ロサンゼルス在住のノンフィクション・ライター、柳田由紀子氏は彼の足跡を追って世界各地を渡り歩き、新刊『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』(集英社インターナショナル)を著した。

 弘文は京大で修士号を取ったインテリであり、禅宗のひとつである曹洞宗のエリートコースを歩むも、1960年代後半に米西海岸に渡り、育ててくれた養父母とは縁を切った。アメリカでは剃髪せず、アルコールに溺れ、二度も結婚したことから、曹洞宗内部では「破戒僧」と見る人もいた。最期は5歳の娘と共にスイスにある池で溺死し、ヨーロッパの弟子たちはみな「泳げないのに娘を助けるために飛び込んだ」と信じているが、アメリカで弘文を知る人たちは「泳げたはずだ」と語る。僧侶としての功績を讃える人が無数にいることとは対照的に、アメリカで築いた家族たちは口が重く、取材自体が困難を極めた――。

 見る人によってまるで評価が分かれる、この謎めいた僧侶・乙川弘文とは何者なのか? どこがジョブズの心をとらえたのか? 著者の柳田氏に訊いた。

ジョブズが立ち上げたNeXTの「宗教顧問」ではなかった!?

――ジョブズと乙川弘文の交流を描いたアメリカン・コミック『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』(集英社インターナショナル/2012年)を訳したのがきっかけで、柳田さんは弘文に興味を持たれたのでしょうか?

柳田 そうです。それ以前は仏教については特に関心はなく、日本の実家では何かあれば法事などはしていましたけど、「なんでこんなことするんだろう?」と思っていたくらいです。

――「ジョブズに近かった」という事実を除けば知る人ぞ知る存在だった弘文に関心を持った理由は、ジョブズに迫りたかったから?

柳田 最初はそうですね。私はずっとアップル製品を使っていますが、「ジョブズは禅の影響を受けている」といわれても「本当なの?」という疑問があった。禅はアメリカでは「ZEN」としてかなり普及していて、「ZENなんとか」という商品名が付いているものは大体、洗練されたデザインで人気がある。日本の禅がどうしてそんなに広まっていったのかという関心もありました。

――乙川弘文はジョブズが85年にアップルを追放された後に立ち上げたNeXT社の「宗教顧問」だったと書かれてきましたが、柳田さんの取材によってそういう事実はないと確認されるなど、『宿無し弘文』ではアップルやジョブズのファンにとって興味深いことも書かれています。

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