女性の権利を訴え続けた米最高裁判事ギンズバーグが死去 トランプ政権ますますの保守派偏重化に懸念

日刊サイゾー / 2020年9月28日 7時0分

 米連邦最高裁判事で最高齢のルース・ベーダ―・ギンズバーグ(RBG)氏が9月18日、転移性膵臓がんの合併症のため死去した。87歳だった。

 彼女の亡くなった一報が入ると同時に、米マサチューセッツ州やバーモント州など民主党の金城湯池地域に住む筆者の友人たちがフェイスブックやツイッターなどで、彼女への追悼メッセージを一斉にアップし始めた。私も、既存のニュースメディアの前に、SNSを通して、彼女の死の詳細を知った。

 9人いる米最高裁判事の中でももっともリベラルな判事だったRBG。女性の権利を擁護し、妊娠中絶問題では女性の選択の自由を支持、LGBTカップルの結婚する権利も支持する立場で評決に臨んだ。そんな権利のために情熱を持って戦う姿が社会正義を訴えながらも不公平感を感じる、若者たちのハートを掴み、ちょっとしたロックスター並の人気者となる。伝説のラッパー「Notoriousノートリアス(悪名高い)・B.I.G」をもじり、「Notorious R.B.G」と若者たちから呼ばれ、彼女の顔写真入りのTシャツ、マグカップや人形などが売れた。熱狂的なファンは腕に彼女の顔の入れ墨をした。ハロウィーンの仮装で、彼女を真似る子供たちも多数いた。

 そんな彼女の後任を巡る人事が11月3日の米大統領選を前にちょっとした大ごとになっている。我々、平均的な日本人は自分の国の最高裁に誰が判事でいるかも知らない。まして、その判事がどういうプロセスで選ばれるのかも知らされていない。

 一方の米国では、大統領が最高裁判事を指名するが、それを承認するかどうかは上院が投票で決める。指名承認のための公聴会はテレビで放映されるだけでなく、各報道機関が大々的に報道するので、否応なしに多少なりともの関心を持つ米国民の知るところとなるわけだ。

 それでも、後任の最高裁判事を巡る人事と米大統領選がどう関係あるのかの疑問は残る。その大きな理由の一つに、米国の最高裁が日本とは比較にならない程の力を行政府(大統領)に対し行使できる点がある。その力の根源となるのが違憲立法審査権だ。たとえ選挙という国民の信任を得た連邦議会が制定した法律であっても、違憲と判断すれば最高裁はそれを無効と宣言することができる。

 だから、歴代の大統領は自分の意に沿った最高裁判事を指名しようと常に知恵を絞ってきた。しかし、憲法の規定により、最高裁の判事は原則として、その地位は終身保証されている。判事が死ぬか引退を決意しない限り、欠員は生じない。大統領がいくら意中の人を最高裁に送り込みたいと思っていても、欠員が生じるのをひたすら待つしかない。

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