警察の違法な職務質問と尿検査が横行する? 「大麻使用罪」導入で危惧される日本社会の逆行と人権侵害
日刊サイゾー / 2021年2月20日 18時0分
2021年1月13日、大麻取締法に「使用罪」の導入が検討されることが報じられた。現行法では、大麻は所持や栽培、売買、密輸などは禁じられているが、使用に関する罰則はない。しかし近年、特に若者の間で大麻使用が急増していることから、大麻規制のあり方について厚生労働省が設置する専門家会議で議論されるというのだ。
このニュースはSNSでも拡散され、ツイッターでは「大麻使用罪」がトレンドに浮上。その賛否をめぐり論争が巻き起こったが、使用罪に反対する立場からは「世界的に大麻を合法化・非犯罪化する動きが広まっている」「使用罪の導入=厳罰化はその流れに逆行するものだ」といった声が聞かれた。
事実、例えばアメリカでは1996年にカリフォルニア州で医療用大麻が合法化されたのを皮切りに、それに追随する州が徐々に増え、12年にはワシントン州とコロラド州で娯楽用大麻も合法化された。現在、全米50州のうち36州で大麻の医療使用が認められ、15州と首都ワシントンD.C.では娯楽目的の使用も認められている。
もっとも、アメリカでの大麻の合法化はあくまで州法においてであり、州法より優位にある連邦法のもとでは違法であるが、その状況も変わるかもしれない。というのも、20年12月4日、民主党が多数を占める米下院で大麻を連邦法で合法化する法案が史上初めて可決されたのだ。その時点では、共和党が多数派の上院を同法案が通過する見込みは薄かったが、21年1月5日のジョージア州上院決選投票で民主党が上院でも過半数を確保したことにより、全米で大麻が合法化される可能性が出てきた。
また、20年12月には国連麻薬委員会で大麻および大麻樹脂が「スケジュールⅣ」(国際条約で定められる「もっとも危険な薬物」にあたるリスト)から除外されており、大麻の個人使用を非犯罪化している国も約50カ国にのぼる。
このような大麻の合法化・非犯罪化の流れの背景には何があるのか? 経済小説『マネーロンダリング』(幻冬舎)や『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)などで知られる作家の橘玲氏は、こう語る。
「ひとつは、世界的に価値観がリベラル化していることです。これは必ずしも政治的にリベラルになるという意味ではなくて、『自分らしく生きるのが素晴らしい』という価値観で、言ってしまえばネオリベ(ネオリベラリズム、新自由主義)と呼ばれる思想に近い。『私は自由に生きるから、あなたも自由に生きればいい。そして自由に生きた結果、起こったことの責任はそれぞれが取ればいい』という発想です」
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