スギちゃん 実直な人柄でチャンスをつかんだ「芸人再生工場の最終兵器」

日刊サイゾー / 2012年5月20日 8時0分

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 かつて、プロ野球の世界でヤクルトスワローズなどの監督を長年務めた野村克也は、伸び悩んだ選手や新加入の選手の起用法を工夫して、彼らの新たな才能を発掘してみせた。その卓越した手腕から、彼の選手育成術は「野村再生工場」と呼ばれた。

 いまお笑いの世界でも、「芸人再生工場」として注目を集めている事務所がある。それはサンミュージックプロダクションだ。カンニング竹山、小島よしお、鳥居みゆきなど、他事務所から移籍して才能が開花した芸人は多い。別のところで実力を発揮しきれなかった芸人が、ここでチャンスをつかんでブレイクする事例が相次いでいるのだ。

 今年に入り、そんな「芸人再生工場」からまた新たなスターが生まれた。自分がいかにワイルドであるかを延々と語る、袖なしデニムに身を包んだ横分けヘアの怪しい男。絶賛大ブレイク中のスギちゃんだ。彼は、昨年末から今年前半にかけて『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)、『爆レッドカーペット』(フジテレビ系)などに出演。その後、ピン芸日本一を決める『R-1ぐらんぷり2012』で準優勝を果たして一気にブレイクした。

 スギちゃんが売れっ子になった最大の要因は、なんといっても「~だぜぇ」というキラーフレーズを発明したことだろう。ありそうでなかった言い回しとイントネーション。語尾に「だぜぇ」を付けるこのしゃべり方の「真似したくなる度合い」の高さはすさまじいものがある。誰もが思わず真似したくなるし、言ってみたくなる。フレーズ自体にえもいわれぬ魅力がある。これがスギちゃん人気を爆発させる起爆剤となったのは間違いない。

 ただ、彼の芸人としての売りはそれだけではない。スギちゃんの本来の持ち味は、笑いを求める貪欲さと、客いじりなども含めた総合的なライブパフォーマンス力の高さである。「杉山えいじ」という芸名で活動していた頃、彼の代表的なキャラクターに「おっぱい先生」というのがあった。おっぱい先生は、胸を異常に膨らませた状態で登場して、おっぱいにまつわる漫談をする。いかにもライブ向けのキャラクターではあるが、そのキャラ作りに対する彼の姿勢には「何がなんでも観客を笑わせたい」という貪欲さが垣間見える。

 また、スギちゃんの人気がここまで高まったのは、彼の人柄によるところも大きい。彼の飾らない実直な人柄は、テレビでの言動やブログでの記事にも反映されている。自身の優勝が懸かっていた『R-1ぐらんぷり2012』の結果発表の場で、COWCOW・多田健二の優勝が決まった瞬間、スギちゃんはなぜか自分が優勝したわけでもないのに号泣していた。多田が泣いているのを見て、思わずもらい泣きしてしまったのだという。これは、スギちゃんのピュアな人柄を示す典型的なエピソードだろう。

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