本格的な復讐劇『リベンジ』の人気は、格差社会が生んだ「欺まんへの憤り」が要因?

サイゾーウーマン / 2013年4月15日 13時0分

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――海外生活20年以上、見てきたドラマは数知れず。そんな本物の海外ドラマジャンキーが新旧さまざまな作品のディテールから文化論をひきずり出す!

 長引く不況に苦しむアメリカ。今年に入り、オバマ政権はやっと富裕層増税に動き出したが、経済的に搾取する富裕層のせいで、格差は広がるばかり。中間層・低所得層の怒りは沸騰点に達しており、富裕層に制裁を加えてほしいと強く望むように。『ゴシップガール』や『新ビバリーヒルズ青春白書』など、ゴージャスで現実離れした暮らしを描いたドラマに対しても辟易するようになったのか、視聴者は離れる一方。その結果、2作品とも放送の打ち切りが決定した。

 実生活でシビアな体験をしている人々は、ごまかされることにも過剰に反応するようになっている。オバマ大統領2期目の就任式典で、口パクで国歌斉唱したビヨンセをバッシングする大騒ぎに発展したことは記憶に新しい。人々が本物・真実にこだわる傾向は日ごとに強くなっている。

 2011年秋のシーズンにスタートしたドラマは、そんな世間の「富裕層嫌い」「偽りへの過剰反応」を反映したものが多かった。富裕層に嫁いだ双子の姉に成り済ますサスペンスドラマ『リンガー ~2つの顔~』、父の汚職事件で貧乏になった元お嬢様が主役のコメディ『2 Broke Girls』。中でも、3大ネットワークのABCの、裕福な人たちへの復讐を描いた新作ドラマは「痛快」「リアル」だと高い人気と評価を得た。その作品が『リベンジ』である。

 物語の主人公は、裕福な家庭に生まれたものの、父親がテロリストの罪を着せられたため保護施設で育てられた、若く美しい女性。成長した彼女は、失意の底で死んだ父親が、信頼していた権力者たちに陥れられていたという驚愕の事実を知り、復讐を誓う。莫大な遺産を元に、彼女は情報収集をし、幼い頃に家族と住んだハンプトンズに戻る。髪をブロンドに染め、裕福な慈善事業家になりきった彼女は、父を陥れた憎き権力者やエリートたちに次々と制裁を加えていく。

 全米で延べ1億8,000万人以上が視聴した“復讐ドラマの決定版”と言われるだけあり、この作品には、復讐がてんこ盛り。ターゲットは、インサイダー取引で大儲けしたウォール街で働くヘッジファンドの代表者、権力者に服従する悪徳政治家、金持ち御用達のうさんくさい精神科医など、誰もが嫌うタイプの金持ちたちだ。シーズン1の前半は、毎回のように悪者たちが復讐を受ける。情け無用に打ちのめしていく制裁が痛快だと、人気を集めたのだ。

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