渡瀬悠宇が語る“厳しい現実と戦う比喩”としての『ふしぎ遊戯』と創価学会【後編】

サイゾーウーマン / 2012年5月20日 9時0分

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[スピリチュアルなマンガ家の世界]

(前編はこちら)


――前編では、創価学会で得たものが渡瀬先生の作品に影響を与えているというお話がありましが、先生にとって、学会の池田名誉会長はどういった存在なんでしょうか?

渡瀬 先生は「教祖」ではなく「師匠」です。困った時や苦しい時に、先生の本を読んで「よし、頑張ろう」って思えるんです。例えば、日蓮大聖人の教え【註1】によれば、人間の命の中には十界という10個の世界があります。その中で仏界だけはなかなか出すことができないんですよ。わかりやすく言うと、鏡に自分を映した時、曇っていると自分の姿は映りませんよね。でも、その鏡に映っているのが、本当の自分なんです。だから、お題目【註2】を唱えることで、その鏡を磨いていくんですよ。鏡を磨く、とは自分の弱い生命を変革していくこと。「仏」とは「生命」のことです。どこかよそにいるのでなく、あくまで「自分で決意、努力」して、自分を変革する。それによって、他の人にも「生きる力」を与えていける、それが「仏界」の生命。すべての人の中にある力です。それは困難にも負けない勇気。前向きな心。先生からは、そうした「人生の哲学」について学び、私たち弟子への細やかな激励、また世界中の識者から求められ、対談、友好される姿を通して、「一人の人間を大切にする姿勢」も身をもって教えてくださっています。悩みも越えられてきたのは、この「人生の師匠」の存在があるからです。

――池田名誉会長が書かれた『人間革命』【1】という本を創価学会の方は必ず読まれるそうですが、『アラタカンガタリ』の主人公の名前が「革」なのも、それを意識されているんですか?

渡瀬 そうですね。自分がまだその成長の渦中にあるのもあり……この一文字がピンときました。それと名字が「日ノ原」なのは日本のイメージです。今の日本を見た時に、これから国を担う世代の子どもたちへの期待を込めました。少年誌の読者に対して、「君たちがこの国を変えていくんだ、大人を見てあきらめちゃいけない」っていうメッセージです。今、子どもたちを取り巻く環境は、いろいろな意味でよくない。情報は氾濫しているし、犯罪に巻き込まれることも少なくない。私は無力な一介のマンガ家ですけど、せめて自分の作品を読んだ子どもたちが、この主人公のように頑張ろうと、奮い立ってほしいと思っています。

――先生の作品で特徴的なのが、『ふしぎ遊戯 玄武開伝』(以下『玄武開伝』)【2】のソルエンのような、人間の死【註3】を描いていることです。死を描くことを避けたり、死を“お涙頂戴”のネタに使う作品が多い中、先生の描く死の捉え方は、かなり違うように感じます。

サイゾーウーマン

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