KADOKAWA川上量生対談でドワンゴの技術者の扱いがいろいろアレだと騒ぎに|やまもといちろうコラム

デイリーニュースオンライン / 2015年9月7日 8時0分

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 やまもといちろうです。久しぶりにラーメンを食ったら胃が重いわけであります。
 先日、KADOKAWAの川上量生さん(ドワンゴ代表取締役会長)と、著名な技術者である伊藤直也さんとが対談する記事が物議を醸しておりました。

 ぶっちゃけ、内輪受けの話であって、これといって読んでいて参考になるものはないのですが、寿司が旨そうで良かったですねという以上の感想は特にないわけですけれども、その後、恐らくこの記事でサンプルとされた転職者の人が赤裸々なブログを書かれていまして、これが興味深いです。


 さらには、文中でどう読んでもプログラマーの我らが清水亮さんと思しき記述があり、これはこれで話題沸騰。こういう事例では漏れなく誘爆するというか貰い事故皆勤賞の趣のある清水さんに、ウェブ界隈から惜しみない拍手が送られております。

ドワンゴに在籍中、僕はとにかく「あるおっさん」が大嫌いだった。とっくの昔に会社を辞めて、その会社に対する責任を失った人が、知りもしない今のドワンゴのことをブログやツイートで批判して、否定する。彼がどれだけドワンゴに対して貢献をしたのか、どんな思いで会社を去って行ったのかは知らないけれど、僕たちは「今のドワンゴ」を良くしようと日々努力しているのに、それを関係者ヅラして邪魔をしてくるおっさんが本当に気持ち悪く、鬱陶しかった。

企業経営上の課題が浮き彫りに

 ところで、一連の話としては、過去に起きたこと肴に、教訓として経営者と技術者が対談するという体の記事が、名乗り出た被害者からの文章の内容を知ることで、読み返したとき当初と違う趣の内容になるのが興味深いわけです。確かに普通の組織として考えたとき、3年間働いた技術者より新卒が月給で6万円も高いというのは異様なことで、経営として見たとき当時のドワンゴは笑い話で済ませられるほど身奇麗な会社じゃなかったんじゃないのと思うわけであります。

 もちろん、いまウェブ界隈では元ドワンゴの人材がたくさん溢れており、彼らと仕事をするときドワンゴのことを悪く言わない人、楽しかったという人もたくさんいます。その意味では、ある種の技術者天国的なドワンゴのイメージに違わない素敵な面もあるのかもしれません。

 しかし、旧角川グループとの合併があったため組織的な混乱もまたあるのかもしれませんが、ここで触れられている(技術者の)大量退職とは別に、KADOKAWAとして繰り返される不思議なリストラや、経営幹部同士の主導権争い、取引先や作家、編集者も巻き込んだ一種異様な陣取りゲームのような構造はやはり気になります。身の回りの編集者では、KADOKAWAの正社員を解雇されたはずが、KADOKAWAの関連会社にある人材派遣会社に派遣社員として再雇用されてKADOKAWAグループに舞い戻ったりするという事例があります。

 これは、川上さんがTwitterで「正直な話、知らないですね」と、組織の末端のことなど知らんというようなテイストの反応をしているのと同様に、恐らくは経営者として組織がやっていることを、あまりちゃんと知らないからそういう不思議な事態を放置しているんだろうなあと感じるところもあります。または、知っていて、知っているとは言えずにとぼけているのかもしれませんけれども。

 いずれにせよ、旧角川も旧ドワンゴも業界内ではとびきりの変わった経営者と不思議な組織で経営されてきた組織同士であり、それが合併しているわけなので、外部から見て訳が分からんのも仕方ないのかもしれません。出版の世界では良くあることなのでしょうが、一般論として、不採算に陥った媒体を止める際に、連載していた作家を切るのと一緒に担当していた編集者も退職に追い込むのは日常的です。業界を古くから見ていた人たちからすれば、KADOKAWAの中での椅子取りゲームは熾烈を極めているのでしょう。

 対談としてはさほど面白みがない一方、このようにして企業経営上の課題が浮き彫りになったりもするわけでして、同じ事象でも立場によって見え方がこうも違うというのはとても勉強になったのであります。

 まあ、私のおります楽天イーグルスも、面倒はたくさん発生してて胃が重いのは事実なんですけどね。

著者プロフィール


ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

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