30本塁打でも引退!? 好成績の年にプロ野球界を去った男たち

デイリーニュースオンライン / 2015年11月19日 15時0分

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 11月も半ばを過ぎ、今年のプロ野球を振り返れば、大物選手が次々と引退を表明したシーズンでもあった。

 近年はトレーニング理論の発達やサポート体制の強化、また選手自身の自己管理意識が高まり、ベテラン選手の活躍も増えている。多くの実力者が30代後半〜40代までプレーするようになり、力尽きるまでプロ野球選手人生を全うする流れだ。

 引退を表明した主要な選手の、今シーズン成績は以下の通り。

山本昌(50)  1試合/0勝0敗/防御率9.00
中嶋聡(46)  2試合/打率.000/0本/0打点
斎藤隆(45)  3試合/0勝0敗/防御率7.71
谷繁元信(44) 30試合/打率.277/1本/4打点
和田一浩(43) 79試合/打率.298/5本/26打点
西口文也(43) 2試合/0勝1敗/防御率9.00
谷佳知(42)  11試合/打率.185/0本/3打点
小笠原道大(41)53試合/打率.294/0本/8打点
髙橋尚成(40) 6試合/0勝1敗/防御率8.64
小山伸一郎(37)1軍登板なし
関本賢太郎(37)55試合/打率.262/0本/10打点
平野恵一(36) 29試合/打率.262/0本/5打点
木佐貫洋(35) 1試合/0勝0敗/防御率0.00
山﨑浩司(34) 40試合/打率.141/0本/2打点
森本稀哲(34) 12試合/打率.000/0本/0打点
朝倉健太(34) 4試合/0勝0敗/防御率14.54

 こうして並べてみると、通年で働いた選手はいない。特に投手陣は1軍で戦力になった選手はおらず、「限界」の二文字が頭をよぎるのも当然だろう。一覧してみると「限界までやる」という近年のトレンドが如実に現れた成績になっている。

 しかし、過去のプロ野球界では「まだまだやれる!」という成績でも突如引退を表明した名選手もいる。そんな引退年に好成績を残したレジェンドたちを紹介しよう。

王貞治(巨人/引退時40歳)

【1980年】129試合/打率.236/30本/84打点

 日本球界のレジェンド中のレジェンド・王貞治は引き際も伝説的だ。前年の1979年、打率.285/33本/81打点の好成績を残しながら、1962年以来17年連続で獲得し続けていた打撃タイトルを逃した王。不惑を迎える1980年も30本塁打をかっ飛ばしたが、打率が低迷し、「王貞治のバッティングができなくなった」とスッパリ引退を決意した。

 現在ならば、絶対に現役続行の好成績。それでも自分のバッティングに納得できなければ辞める潔さ。男の中の男たる引き際だ。

 ちなみに、当時「陰毛に白髪が混ざってきたので、潮時と思った」と自身の引退理由を語っていたという都市伝説も残っている。

土井正三(巨人/引退時36歳)

【1978年】110試合/打率.285/4本/28打点

 巨人V9時代において、「2番セカンド」で活躍した土井。引退年もチームの主力として活躍し、リーグ最多の27犠打をマーク。自身初となるダイヤモンドグラブ賞(現在でいうゴールデングラブ賞)を獲得するなど熟練の動きを見せていたが、長嶋茂雄監督の若返りの方針に共感し、現役引退を決意。守備走塁コーチに就任し、1980年代の巨人を支える若手を育成した。

山本浩二(広島/引退時40歳)

【1986年】126試合/打率.276/27本/78打点

 ミスター赤ヘル・山本浩二の引退はまさに「有終の美」という言葉がよく似合う。30代で才能が本格開花し、輪をかけてすさまじいバッターとなった山本。入団から引退まで、毎年110試合以上に出場し続けた“準鉄人”だ。

 しかし、その裏側は満身創痍だった。大学時代からの持病である腰痛を我慢しながら出場を重ね、晩年はファンも「見ていて痛々しい」と思うほど。この年、広島はリーグ優勝を果たし、西武との日本シリーズに進出。第8戦までもつれた末に敗れたが、広島市民球場には浩二コールが巻き起こり、西武の胴上げに続いて山本も広島ナインによって宙を舞った。

江川卓(巨人/引退時32歳)

【1987年】26試合/13勝5敗/防御率3.51

 プロ2年目の1980年から、2ケタ勝利を続けた怪物・江川卓。引退年も好調打線のアシストもあり13勝を挙げた。しかし、自信を持って投げた球を若手の小早川毅彦(広島)や八木裕(阪神)にホームランにされるなど、衰えを自覚していた。

 そして来季の活躍に自信が持てなくなった江川は、「2ケタ勝利ができなくなれば引退」という自身の信念に従って球界をあとにした。

 また、江川ドラフト騒動で渦中の人になった阪神・小林繁も1983年の引退年は、35試合で13勝14敗/防御率3.18の好成績を残している。小林も前年に「15勝できなかったら引退」と宣言しており、こちらは30歳。運命がもつれ合った2人は、奇しくも同じような燃え尽き方だった。

≪番外編≫タフィ・ローズ(オリックス/引退時41歳)

【2009年】84試合/打率.308/22本/62打点

 2006年に一度、現役を引退し、1年間のブランクを経てカムバックを果たしたローズも引退年に好成績を残した選手といえるだろう。前年には40本塁打を放っており、実力は健在。しかし、シーズン中に死球で骨折したことからフル稼働とはならず、その欠場を公傷と認められず、契約交渉で揉め、2度目の現役引退となった。

 そんなローズだが、今年5月、なんと46歳にしてBCリーグ・富山の選手兼コーチとして電撃復帰。41試合で打率.315/5本/37打点の好成績を残している。

 ちなみに今年5月にヤクルト入りを果たしたデニングの今季成績(BCリーグ)は、18試合で打率.270/1本/17打点。6月に阪神入りしたペレスは、30試合で打率.324/7本/24打点だった。

 4年強のブランクをモノともしないローズ。NPBでもまだまだやれるのでは!?

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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